「ホドロフスキー版 子連れ狼&許されざる者かと思いきや」エル・トポ cani tsuyoさんの映画レビュー(感想・評価)
ホドロフスキー版 子連れ狼&許されざる者かと思いきや
ならず者が跋扈する荒廃した砂漠で幼児と旅する主人公がガンガンならず者を殺してく(だけでなくこっそり金品をせしめる)という子連れ狼&許されざる者なのかな〜と軽く観ていたら、そうは問屋がおろさない。
さすがはホドロフスキー。西部劇の体裁をとりつつも、ご自身の神秘主義的要素やメタファーをがっつりぶち込んでくる。
意外にも主人公が苦難の末、強敵を倒すも自身の虚像性に気づき、没落後に聖者として崇められるという筋はキリスト教的でもあるし、
彼が忌み嫌うハリウッドメソッドも踏襲しているのではないかと思い、非常に興味深かった。
中盤で出てくる預言者の存在、ファムファタール、フリークスの村落と街の比較等意義深い示唆を含んでおり、何度観ても発見と教示があるのだろう。
カルトムービーとなってしかるべき作品。
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