しあわせの雨傘のレビュー・感想・評価
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ドヌーヴは幾つになってもドヌーヴ
よもやジャージ姿のドヌーヴを見ようとは、努々思いもしなかった。
木々の木漏れ日のなかをゆっくりジョギングするドヌーヴ。鹿やウサギが現れお出迎え。ラウンドコーナーでマスキングされた画面にカラフルなフォントのオープニングタイトル。これはもうディズニー・アニメのノリである。
お姫様のごとく飾り物として過ごすドヌーヴだが、話が進むにつれ、ただの大人しいお姫様でなかったことが明らかになる。まさに自由奔放な若かりしドヌーヴの姿にだぶる。
命じるだけの夫、すがるしかない市長など、男優位と思われた社会構造が、したたかな側面を持つひとりの女によってひっくり返る。男から見ても、“うっとり”・・・いや、“あっぱれ”な展開にだらしない笑みを返すばかりだ。
舞台が傘工場という設定で「シェルブールの雨傘」(64)へのオマージュもたっぷり。あのときは歌をダニエル・リカーリが代行したが、今回ラストでは、オンステージよろしくドヌーヴの歌声が聴けるおまけまでつく。
幾つになってもドヌーヴは憧れのおネエさまなのだ。ドヌーヴに★ひとつ。
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