「飾り壷さ・・だが、空じゃない。」しあわせの雨傘 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
飾り壷さ・・だが、空じゃない。
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映画「しあわせの雨傘」(フランソワ・オゾン監督)から。
冒頭のリスの交尾シーン、何度か登場するセックスシーンが、
妙にリアルで、ちょっと下品だったなぁ・・が第一印象。
カトリーヌ・ドヌーブ扮する「セザンヌ」着用の
赤のジャージと青のジャージは、何を意味するのかさえ不明だった。
メモした台詞は少なかったけれど、
作品中に何度も登場する「飾り壷」という単語が引っ掛かった。
「ママみたいにはなりたくない。『飾り壷』には」と、娘が母に言う。
同じ単語を、日本版の予告編では「お飾りの妻」と訳していたから、
ただ、そこにいればいいだけの(役に立たない)存在として、
お気楽なブルジョア主婦を位置づけているのはわかる。
最後には、選挙に当選してハツラツと演説している彼女をテレビで観ながら、
夫・娘がこんな会話をする。
「飾り壷、と思っていた」「飾り壷さ・・だが、空じゃない」
外見は「飾り壷」のように見栄えがよく、誰にも羨ましがられ、
さらにモノを収納できる本来の壷としての役割も果たせる、
きっと「役に立つ」という意味の「・・だが、空じゃない」と続く。
彼女にとって、最高の褒め言葉としてメモをした。
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