「マチェットは銃よりも強し。」マチェーテ レントさんの映画レビュー(感想・評価)
マチェットは銃よりも強し。
飛び散る血しぶき、乱舞する美女たちの裸体、溢れ出す臓物、そして宙を舞う生首、まさにエログロの極致。これだよ、観客が映画に求めているものは。
まさに悪乗りハイテンションムービー。冒頭、悪党から絶世の美女まで次々とその命が虫けらのように奪われる命のデフレスパイラル。拉致された褐色のメキシカン全裸美女はヒロインかと思いきや彼女もあっさり退場。うーん、もったいない。
出し惜しみのない殺戮の連続。これはオープニングから景気がいいぜ。命の重さをまるで感じさせない演出で度肝抜かれるのは必至だ。
しかし物語は以外にもしっかりしている。アメリカ政府の人権を無視した移民政策への批判が込められた内容で、この頃はまだ世に出ていなかったトランプのような極右悪徳政治家をデニーローが演じてるのがなんとも興味深い。まさかトランプを毛嫌いしてるデニーローが。
あばた面した強面の主人公のビジュアルを中和をするかのようにヒロイン二人の美女が惜しげもなくそのボディを見せつけてくれた。ジェシカ・アルバは言うに及ばず、ミシェル・ロドリゲスがまたいい。このころが一番イケてる気がする。
後半は少々演出がもたついて失速してしまったのが残念。セガールの鈍重な動きもクライマックスの対決に水を差してしまった。
しかし移民規制強硬派が怒り狂うような内容をここまでエンタメに昇華させる力技は見事。こうなりゃメキシコはテキサス州乗っ取って奪われた土地を取り返そう。米墨戦争の仕返しだ。
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