「「捲土重来」「道法自然」」CUT shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
「捲土重来」「道法自然」
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映画「CUT」(アミール・ナデリ監督)から。
毎度のことながら、作品内に、掛軸などが飾られていると、
何かのメッセージだと察知して、メモしてしまう。
今回は「捲土重来」「道法自然」が気になって仕方なかった。
鑑賞後調べたら「捲土重来」とは、
「一度戦いに負けた者が、勢いを盛り返して、ふたたび攻めてくること」
「捲土」は土煙をあげるほどの激しい勢い、ようすをいう。
転じて「捲土重来を期す」などといって、
一度失敗した者が猛烈な意気込みでふたたびやり直すことをいう。
「道法自然」とは、中国の思想家、老子の言葉で
「人法地、地法天、天法道、道法自然」の最後の句。
「人は地に、地は天に、天は道に、道は自然に法る(のっとる=手本)とす」
つまり人は地に従うもの、地は天に従うもの、天は道に従うもの、
そして道は自然に従うもの、という意味らしい。
人の歩むべきは自然の法則に従うべき、と解釈され、
私利私欲に流されること無く、何が正しいのかを見極めること、
素直に感じ、行動することの大切さを伝えている言葉のようだ。
なるほど、この2つの四字熟語で、作品が思い出せる。
殴られ続ける西島秀俊さん扮する秀二が、
「本物の映画」だと仮定すれば「捲土重来を期す」日は近いし、
その手段は「道法自然」しかないのかもしれないな。
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