「 真面目な映画でもNGシーンは健在」ラスト・ソルジャー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
真面目な映画でもNGシーンは健在
梁は衛の侵攻を事前にわかっていて待ち伏せ攻撃。それでも力は衛の方が上で、梁の兵士2千に対し、衛は千。そして両軍全滅の中、負傷した将軍と、死んだふりをしたジャッキーが生き延びた。コメディタッチの珍道中といった箇所もあるが、会話の内容はかなりシリアス。生き延びることが重要だと父に教えられたジャッキーなのだった。元は農民で、父も兄2人も戦死してしまった。家名を絶やさぬため生き延びることが上等。卑怯であろうが脱走兵だと罵られようがおかまいなし。一方、将軍は戦場で死ぬことが名誉だと思い、ジャッキーの考え方には納得がいかなかったけど、次第に助け合い、友情が芽生えてゆく。途中、衛の兵士たちや言葉の通じない蛮族に襲われたりするなど、見どころは多い。
将軍がなぜ狙われていたのか?と終盤に謎が解き明かされる。狙っていたのは実は将軍の弟で、二人とも皇太子。弟は梁に攻め入ることに反対で和平を望んでいたため、事前に梁に情報を流していたのだ。その弟も蛮族の女を殺してしまったために、自害する羽目になってしまう。そしてラストには、将軍を逃がし、故郷に帰るが、秦によって梁は滅ぼされた直後。呆然としていたため、ジャッキーは弓矢の攻撃で倒れてしまうのだ。
ジャッキーのアクションを楽しむより、メッセージを楽しむべき映画。勝者によってもたらされる平和よりも、最初から戦わねばずっと平和なはず。戦争そのものを憎むような主人公になっていた。
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