「機関銃のように飛び出す皮肉に味がある」人生万歳! マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
機関銃のように飛び出す皮肉に味がある
年齢も知能指数もかけ離れた“ありえない”恋の行方がどうなるか? 話は単純だが、ボリスの、子供相手でも遠慮がなく機関銃のように飛び出す皮肉は、どれもが飾り繕った人間関係の隙を突くもので、かつユーモアがあり笑わせる。
人と人が生活をともにすると、徐々に相手に感化されるところがある。ボリスはメロディを介して人とのコミュニケーションを取り戻し、メロディは物事の着眼点と思考法がボリスに似てくる。かけ離れていたはずのふたりが少しずつ歩み寄っていく様子が愉しい。
互いに欠けていたものを埋めていく二人が幸せを掴むのか、はたまたメロディの両親が横やりを入れるのか、それは観てのお楽しみだが、これだけは言っておく。どう転がろうがハッピー・エンドだ。
人生、何があるかわからない。だが、災いと思ったできごとも福に転ずる可能性がある。人生、何があってもおかしくない。限りある人生だからこそ、人の命や財産を脅かすのでなければ、自分の人生を歩むうえで遠慮はいらない。“人生なんでもアリ”ウディ・アレンからのメッセージだ。
*この作品を最後に恵比寿ガーデンシネマが1月28日で閉館する。都心からまたひとつ映画館が消えるのは寂しい限りだ。全国でもここ1館だけの公開作品も多く名館だった。
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