「少年たちは哀しき戦士へと成長を遂げる。彼らは何を賭けるのか、何を残すのか…。」機動戦士ガンダムII 哀・戦士編 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
少年たちは哀しき戦士へと成長を遂げる。彼らは何を賭けるのか、何を残すのか…。
劇場版『機動戦士ガンダム』三部作の第二部。
ヨーロッパへと向かうホワイトベースを追うランバ・ラル部隊。ランバ・ラルとの戦いの中で、アムロは戦士として成長を遂げる。
そして戦いの舞台は地球連邦政府の総司令部ジャブローへ…。
本作はテレビアニメ版の16話〜31話の前半までを再編集して纏めたもの。
300分以上ある素材を130分に纏めるという、『Ⅰ』を上回る難事業をやって退けた富野喜幸総監督の編集技術には脱帽します。
とはいえ、やはりランバ・ラル戦やミハルとカイの邂逅、ジャブロー降下作戦など、丹念に描かざるを得ない必須エピソードが多いため、オデッサ作戦や黒い三連星についての描写がかなり省かれてしまっており、特に前半はぶつ切り感が否めない。
あとリュウさんが戦死した後、クルー全員が涙ながらに哀惜する場面が無かったのは残念。
ブライトさんの「か、勘弁してくれリュウ…。勘弁してくれよ…!俺たち、こ、これからどうすりゃいいんだ…。」という慟哭混じりのセリフは劇場版でも聞きたかった。
『1st』は基本的にはテレビアニメ版で、じっくりと時間をかけて観賞することをオススメしたいのだけれど、ジャブロー降下作戦は劇場版を観てしまうともうテレビアニメ版には戻れない!!
「哀・戦士」という神曲!!この圧倒的なプレッシャー!!!
「降りられるのかよっ!」と言いながら死地に降下されてゆくジオンの一般兵、そのBGMとして流れる「哀・戦士」。
「哀 かなしみの哀 いまは残るだけ 名を知らぬ 戦士を討ち 生きのびて 血へど吐く」
いや、やっぱ渋いわ…。最高に最高。
「僕が一番、ガンダムを上手く使えるんだっ!」
「ランバ・ラル、戦いの中で戦いを忘れた……」
「俺を踏み台にしたぁ!?」
「ミハル、俺はもう悲しまないぜ。お前みたいな娘を増やさせない為に、ジオンを叩く!徹底的にな!」
など、名台詞and名場面のオンパレード✨
そして、ついに職場復帰を果たしたシャアのドヤ顔😏
『ガンダム』の何がそんなに凄いのか?という問いに対しての100点の解答は、とりあえず本作を観せることだろう。
『1st』の魅力が詰まった第二部。
そして堂々完結の第三部へ、アムロ行きまーす!