パラダイス・キス : インタビュー
向井理、「パラダイス・キス」で女子の願望を具現化!?
矢沢あいの人気漫画を北川景子主演で映画化した「パラダイス・キス」(新城毅彦監督)。浮世離れした天才デザイナーの卵“ジョージ”こと小泉譲二を、向井理が演じる。あまたの女子を夢中にさせた同作で、有名進学校に通いながらも進路に迷うヒロインの紫(ゆかり)をファッション界に導き、そして互いに引かれ合うという重要な役どころだ。映画版オリジナルの結末が用意されており、スクリーンで新たなジョージを体現する向井に話を聞いた。(取材・文:編集部、写真:依田佳子)
他の漫画原作の作品にも出演経験があり、これまで多くの役を演じてきた。ヒロインと恋に落ちるデザイナー役もお手の物だろうと想像できるが「(ジョージは)現実離れした人なので、漫画では成立するんですが実写化すると結構難しい役だと思いました」と話し、役作りには苦労したという。
「矢沢あいさん原作というのを聞いて、ハードル高いなと思いましたね。(ジョージには)こうあってほしいという女性の妄想とか願望が詰め込まれているので(笑)。それは男性から見ると必ずしも魅力的な人ではないので、そこは100%理解できなくてもいいと思うんですけど、自分に自信があって、才能があることがわかっているキャラクターだったので、普通の役よりナルシスト的に作り上げていきました」
自分の美意識に確固たる信念を持つジョージは、服飾専門学校の仲間と独自のブランド「パラダイス・キス」を立ち上げ、卒業後は海外を目指す。個性豊かな学生たちのリーダー的存在だが、登場シーンに比べセリフは多くなく、何を考えているかわからないようなつかみどころのない性格が特徴だ。「魅力的って言われるとわけわからなかったです」と最後まで悩んだことを明かすが「でも、ある程度の答えを持っていないと現場に入る資格はないので、自分で折り合いをつけてやりました」とプロ意識を見せる。
「ふだんは衣装を脱いだり、現場から出ると役は一切引きずらずに、撮影所に入ってからスイッチを入れるのですが、今回は待ち時間もなるべくそういう(ジョージの)目線で人と接していましたね。あまり話さないとか、ドSだったり……ふだんからそうなんですけど(笑)。ふだんの立ち振る舞いを現場の中で意識していましたね」
原作は累計発行部数600万部、アニメ化されたほか世界各国でも翻訳されている。大ヒット作の実写化にプレッシャーはなかったのかと問うと、「大学の同級生の女の子が、ニュースで僕がジョージをやるって知って、『お願いだから断って』と言われました。クラスの同級生がジョージなんて考えられないって」と苦笑い。
「プレッシャーはなくはなかったですね。ただ、今までも原作ものが多かったですし、そういうプレッシャーには慣れていたというか、片腕のないマンガ家もやったことありますし、実在して、今生きている人に比べればそんなにプレッシャーはなかったです」
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