劇場公開日 2011年6月4日

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パラダイス・キス : インタビュー

2011年5月30日更新

北川景子、「パラダイス・キス」ヒロインに深く共感

漫画家・矢沢あいの大ヒット作を映画化した「パラダイス・キス」(新城毅彦監督)。有名進学校に通いながらも進路に迷い、服飾専門学校生との出会いからトップモデルの道をまい進する主人公の早坂紫(ゆかり)を演じるのは、「共感するところがたくさんあった」と話す北川景子。一受験生から、人気モデルへ……北川自身も同じ道を歩み、現在は女優として華麗な転身を遂げた。北川にとっての等身大ヒロイン・紫と自身の青春時代への思いを語った。(取材・文:編集部、写真:依田佳子)

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原作は累計発行部数600万部を超える大ヒットを記録、世界各国でも熱狂的なファンを持ち、現在14言語に翻訳されている。「世界中で有名な漫画だったので、原作ファンの方の思いは感じていました」と少なからずプレッシャーを感じていた北川は、「ファンの方々が頭の中に思い浮かべている紫のイメージになるべく自分が近づくことによって、期待を裏切らないようにというのを一番大切に、髪型や洋服も忠実に再現したつもりです」と話し、過酷なダイエットにも挑戦した。

「半年以上ずっとダイエットしていたんですけど、その時は6キロ程体重を落としましたね。自分の腕や足がどんどん細くなっていくのを見て、『ああ、矢沢あいさんの絵に近づいてきた』っていう満足感がありました。ふだん現場を離れると仕事のことは考えないんですけど、その時はずっとパラキスのことしか考えていなかったです。家に帰ってからもマンガを読んで、食べちゃいけない、この体型に私はなるんだって」

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 自分の才能に絶対的な自信を持つ、天才デザイナーの卵・ジョージとの出会いが紫の人生の転機となる。抜群の容姿を持ちながらも、勉強に追われサエない日々を過ごしていた紫は、今の境遇は厳しい母親のせいだとこぼすと「お前の意思はどこにあるんだ?」と侮蔑的な言葉を受け、「この制服がプライド」と必死にジョージに抵抗する。北川自身、「そういう風に思った時期が自分も実はあった」と明かす。

「17歳の時にスカウトされたのがきっかけでデビューしたんですけれど、もともと芸能界に入るのが夢だったわけではなくて、紫と同じように、大学受験のために部活にも入らず予備校に通って毎日勉強を黙々とやっていました。小さいころから大学に入るのが夢で、それだけが夢で頑張っていたのに、高校に入ってからめっきり伸び悩んで……。勉強ばかりしている生活は間違いで、今間違った方向に進んでいるんじゃないかっていう不安を持って、悶々としていました。だから、何かしら環境を変えなきゃいけない、何か環境が変わるチャンスがあれば、私の本当の道が開けるって思っていた時にスカウトされたんです」

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インタビュー2 ~北川景子、「パラダイス・キス」ヒロインに深く共感(2/2)
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