阪急電車 片道15分の奇跡のレビュー・感想・評価
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電車に乗ろう
あとでパンフレットを見たら
監督さんも脚本家さんも
好きな人ばかりだった。
特に脚本家は「ちゅらさん」の
岡田惠和さん。
直後に原作を読むと
台詞回しは、ほとんどそのまま採用されているのに
驚いた。
その原作に、実に自然に台詞や
演出で合間を埋めていることにも
改めて驚く。
原作にない部分で気に入ったのは
おばあちゃんの時江の
回想シーン。
現在の時江を宮本信子さん
若い時の時江を黒川芽以さんが演じていた。
とても、よく似ていて、仕草なども
きっと演出も合わせてあるんだろうけど
違和感のなさに一人で感動していた。
他の登場人物のキャスティングも
大成功だったと思う。
それと
原作も映画も、子役の使い方が
絶妙だと思った。
主に阪急電車の車内での
出来事を描いているのだけれど
赤の他人との接点は、
何もなければ難しい。
恋する者同士は
自然と出会いの会話のきっかけが生まれるけれど
そうでない場面は、
そうはいかない。
そこで時江の孫、亜実が、
その役割を発揮する。
その流れが自然で、好ましく
久々に用もないのに今津線に
乗ろうかという気分になった。
身の回りから遠ざけたい厄介ごと
関西の優しい空間
とても女子女子した作品でした
キャストの女子率の高さに、バランス悪くないかと思った。原作の有川浩は男だろ?と言ったところ、有川浩は女だよと言われた。
なるほど、いわれてみれば登場人物の男性陣は添え物のように存在するだけだったな。ギリギリ勝地涼演じる圭一クンだけちょっとあったけど、ゴニョゴニョあって結局、添え物的ポジションに落ち着くからな。つまりこれは女子映画なんだ。
一緒にいる人に同調してしまう女性に対して、もっと自分の価値観で生きていいんじゃない?価値観の違う人と無理して一緒にいる必要ないんじゃない?と、簡単にいえば最近流行りの女性の自立に関する作品で、これが10年以上前とはおそれいった。
大袈裟で極端な描写はあるものの大筋で良い映画だと思うが、なんとなーくメチャクチャ面白かったとならないのは女子映画だったからで、ついつい劇的な刺激を求めてしまうのは、もう仕方ない性なのか。
ここ何年かは気にせずこのような作品も観るようになったけれど、もっと若いときは女性が主人公の作品など観なかったからね。
そういう意味では男主人公の作品ばかり観続けてきた女性というのはアホな男と違って寛大なんだな。その寛大さ故の同調ということだろうか。
ネタバレになるので詳しく書けないが、セリフで説明されない心境の変化を、何度か映像で上手く描けていたのはとても良かった。
折角映画なのだからセリフやナレーションで全部説明されるのは退屈だからね。
副題のせいで同じ車両の中に全員集合するニュアンスを感じたけど、全くそんな作品ではなくて、この路線を利用しているキャラクターが少しだけ交わって生まれるドラマで、真ん中で半年くらい時間も進む。
ここに書く締めの文が思い付かないなと考えていたら、ふと、本作のラストのセリフを思い出した。
そのセリフは作品の本質とは直接関係ない、しかし、それとなくまとめに相応しそうなセリフで、原作か脚本かはわからないけれど、今の自分のような気持ちで書いたのかもなと可笑しくなった。
人の思いが連鎖する
女医系
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中谷は元婚約者と後輩の結婚式にウェディングドレスで参加する。
婚約者が浮気して妊娠させた末の結婚であった。
中谷は結婚式へ呼ぶ事を条件に許し、嫌がらせをしたのだった。
それで電車に乗ってたら、宮本に話を聞いてもらえ、楽になった。
戸田はDVでストーカー的な最低男と付き合っていた。
で電車内でブチ切れられた所を見た宮本の助言で、別れる事を決意。
下品なおばさん軍団とイヤイヤながらも付き合っていた南は、
電車内で偶然出会った戸田と色々話し、縁切りを決意する。
最後はこのおばさんらの非常識な行動を、宮本が毅然と叱り付ける。
その他、関学に通う地方出の男女が付き合い始める話や、
関学に行きたいが成績が微妙で、交際相手に励まされる女子高生の話、
宮本の亡き夫が犬が苦手だったが、その過去に別れを告げて犬を飼う話、
いじめられっ子の女子中学生を中谷が励ます話などなど・・・。
最後は中谷と戸田が急に友達になって終了。
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典型的な女医系の作品。中谷美紀が主役なところまで同じ。
こういうのって、オムニバス形式にしたらええやんって思ってしまう。
でも1つ1つの話がそれほど深くはないので、それも無理か。
平凡な人達の平凡な日常をダラダラ描いた感じかなあ。
まあテンポが良いせいか、見ててしんどいってな事はなかったけどね。
芦田愛菜の演技を始めて見たが、天才子役と騒がれるほどのものか?
よくいる完全棒読みの子役よりはマシって程度じゃないのかなあ。
あ、それから阪急今津線の宝塚~西北が舞台となっているんやが、
今津線って西北~今津もあるんやけどなあ、無視されてた(場)
今度は芦田愛菜主演で10年後の話を
最近観たい映画も無く、
TVドラマに何十年か振りにハマってます。
「VIVANT」めちゃ面白い😁
オマケに、BSで再放送の
「エルピス」これも夢中😍
映画の谷間に良いタイミング👍
それとライブにも演奏で出演予定で、
映画行く時間が無いのもある😭
家では、
配信をランダムに観るより、
BSとかでやってるやつの方が
ハズレが無いかな、
と撮り溜めしております。
その中の一つ「阪急電車」。
地上波でも偶に流れてるくらいだから、
概ね好評なんだろうと予想してた。
そして実際良かった。
何より、今では揃えるのが難しいであろう、
役者陣の豪華さは、
10何年前だから出来た所業。
中谷と戸田が邂逅するシーンは、
「ケイゾク」と「スペック」が
交わってる様に感じるのは自分だけ❓
宮本信子、南果穂と安定のベテランに、
まだ若手な玉鉄、勝地、鈴木亮平まで。
既に輝いてる有村架純も良いが、
やはり芦田愛菜は白眉。
まだ7歳にして関西弁まで操るのか⁉️
て思ったら、出身は西宮かよ。
まあでも
そんじょそこらの7歳児に出来る芸当ではない。
今の芦田愛菜で、
また作っても面白そう。
何てったって、大学生が多いから、
丁度良いのではないか。
そう、大学生が多いから、
少し青春映画的な感じで、
もうちょっと年齢層広げて欲しい。
あと、男ももっとエピソードあると、
感情移入し易い。
どなたかが書いてましたが、
「スカッとジャパン」みたいと。
宮本信子がスカッとばあちゃんですね🤣
ハイ、全員スカッとー
でも最後の少女はスカッとしなかった。
意味がよく分からなかった。
一番驚いたのは、
安めぐみてあんなに可愛かったんだ😍
て事かな。別人だった。
なんだこの脚本は!
原作小説には忠実だと思います。
中途半端感が半端ない
阪急電車に乗り合わせた人々の心の交流を描く、ハートウォーミングな作品。結婚前に振られて結婚式にウェディングドレスで出席した女性を中心に、たまたま居合わせた人たちのバックグラウンドを描きつつ、それぞれが前に一歩進んでいく話です。素直にいい作品だったと受け止められないのは、ミリタリーおたくの彼と田舎出身の彼女が恋に落ちるシーンです。それぞれの脳内をCGでエフェクトかけて表現していますが、これは全く不必要な演出に感じました。シリアスとまではいかないまでも、コメディーではないトーンで進んでいた演出が、いきなり三流コメディーになったように感じた次第です。
現実世界を描きつつも現実的には赤の他人にそこまで介入できないよね、と感じながら見終わりました。有村架純さんが可愛かったです。この頃はまだ主役級ではない扱いだったんですね。
美人は苦労するようにできてるんよ
心が温かくなる
映画の中で語られる、
人はそれぞれ皆、いろんなやり切れない気持ちを抱えて生きている。
死ぬほどつらいわけではないけれども、どうにもならない思いを抱えて生きている。
そしてその気持ちは誰にも言えないのだ。
年齢はバラバラで、それぞれ悩みを抱えて生きてる登場人物達。接点は無いけど、阪急電車の中で、何気無く出会ったときにお互いを支えるかのような小さな奇跡が起きる。
個人的には、周囲に馴染めずにいる軍オタの圭一君と、田舎から出てきた美帆ちゃんが、ふとした事で意気投合するやり取りがほっこりして良かった。
休日の何となく疲れて動きたくなくて、物寂しくなったときに観ると、心が温かくなります。
この世界もそんなに悪くない。
昔、神戸を旅行したときに登ったポートタワーが出てきて懐かしく感じました。
一言「もっと早く観ればよかったし!」
WOWOW等で放映されてたのを、なんとなく見逃し(2011年製作)。
①鉄分補給要素たっぷり。
阪急電車・今津線。宝塚駅〜西宮北口。片道15分。
往路十二月と復路三月、窓からの季節も変わり。
「甲南園」(こうなんえん)等、読めない駅名。
鉄的にムフフしちゃう。
②人情要素もあるある。
・メインキャストは、ほぼ女性。
乗り合わせた電車の中で、つい話をしちゃうのって。男性はないかな。
それぞれがクロスしながら、関わっていく様。
中でも宮本信子さんの、おばあちゃん役(孫は芦田愛菜さん!)。
ほんわかしているかと思ったら、キリッと年長者らしい振る舞い。
「か、かっこいい〜!」。
友情出演・特別出演も何人かいて。「あれ、これって⁈」も楽しかったです。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「自分の意思で涙を止められる、女になりなさい」
阪急電車今津線の宣伝
こういう映画が好きです
なんか、いい映画を観たなー、とほっこりする。人と人の交流って、やっぱり大事だな、と。少しのおせっかいが人を救うこともあるんだ。
観た後に希望を持てる、素晴らしい映画。芦田愛菜貫禄ある。個人的には、谷村と勝地のカップルがいいねと感じた。
知らず知らずの内に封印してきた生きる力の奇跡
予想の遥か上を行く人の行動にときめきながら温かい展開にすっかり魅せられてしまった。岡田さんの脚本の力もあるしキャスティングもいい。
全体像として、悩める主人公達と対局の人物像達がはっきりとこの世界を二分する構造になっている。電車内に共存させる視覚効果も大きい。黙っている(堪えている)悩める層がそれぞれの人生を生き始めたとき、彼らの繋がりがやがて奇跡を起こすのをうまく視覚化している。
ほんの少しの魂のつぶやきを昇華させるべく発した一言や行動が螺旋階段を昇るように別の生きやすいステージへ移行する。それが人の起こす繋がりと奇跡。
ここで主人公が起こす予想外の展開について記したい。
寝取られた婚約者が結婚式という人生最良の日に花嫁衣裳を着て披露宴に出る。呪いの日に変えて復讐したいという行動には惨めな自分をさらけ出す勇気が伴う。痛み分けをせずに悔しさを封印したままその場をやり過ごすのが一般に分別ある大人の流儀であり、自分を守る無難で最大の方法なはず。しかしそれっていわば魂の封印であり最も自分を傷つける行為だと教えられたシーン。どのシチュエーションでも、常識が思考を支配する世界では人生の本当のメタモルフォーゼは起きないのだと教えられた。「生きる」ここにフォーカスするなら非常識と思しき世界に身を投じた時、次の魂の進化の段階の出会いが用意されている。
権田原の名前に劣等感を持つ限り新しいチャンスを逃してしまう。人は劣等感を超える勇気を持って初めて次の出会いに繋がっていく。
住む場所だってそう。
自分一人で相手の人生を助けようとかどうこうしようなんておこがましい。私だったら「家に来なさい」と誘いその衣装を助けお茶を振る舞い愚痴を聞くなどありきたりな展開しかお膳立てできない。しかし、老婦人の人生経験の多さは正にブリコラージュなのだ。この人に必要なきっかけを本人を見てそっと差し出すだけでいい。その駒が多いほど人生を豊かにし人を助ける力になる。今の傷ついた彼女に居心地のいい場所を選び教えるだけで、人は自ら立ち上がれる。「あなた、疲れた顔をしているから次の駅で少し休むといいわ。あそこはとってもいい駅だから」
降り立った駅は駅員さんの手入れが行き届いた花壇や街ぐるみで子供を応援するポスターなど優しさに満ちていた。そこで緊張の糸が解けお腹が空き買食いをする。食べるのは生きる基本だ。やっと自分の姿を客観的に見た後、その街で新しい衣服を買い復讐劇の衣を脱ぎ捨てて次の生活の居場所を手にして行く。
観るだけで清々しいシーンだった。
不器用な生き方に悩む層と傍若無人に振る舞う本能だらけの構図とを見事なまでの輪郭で現していて、コロナ下の今だから、それぞれが自分らしく生きることの大切さを余計に気付かされた。
全116件中、1~20件目を表示











