劇場公開日 2011年3月26日

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「提供と享受」わたしを離さないで ミカさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0提供と享受

2020年5月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

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ミカ
きりんさんのコメント
2025年5月6日

こんばんはミカさん

レントさんから共感をもらったので、レントさんに書き送った返信をここにも転記します。
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この映画がここまで胸糞わるくて
嘔吐を催すのは
これが「ほかならぬこの私たちが」いつの間にか囲いの中で飼い慣らされていて、
すぐ柵の外に見えている別の世界や、違う価値観を知る力を放棄し、
お国や支配階級のためにその臓器も、身も、命も、魂も、
純粋培養で、喜んで捧げるようにと教えられて、挺身を促されていることを《こんなにあからさまに突きつけられるからだ》と思うのです。
イサム・ノグチは空想世界のオカルト小説など一切書いては「いない」。これは近未来のSFでもない。まさに今現在の自分たちの養殖の姿を描いている。
だから思い当たる事があって、胆汁が込み上げるんだと思いました。

「私のものである私自身を私は誰かのために手離してはならぬ」と、原作者からきつく念を押されているように感じました。
(転記ここまで)

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夏までに僕は「夜と霧」を観るのが宿題です。辛くて苦手なんですが。

きりん
きりんさんのコメント
2020年5月17日

クローンの子どもたちがボール遊びをしていて、ボールが飛んで行ってしまった「柵」の向こうの草はら。
・・誰も拾いに行かなかったあのシーン。
カズオイシグロからの物凄い問題提起でした。

見えているのに、見えていないことにしているあなたの「柵」は何か?
と原作者から強烈に迫られました。

嫌な映画でしたが、観て良かったと思っています。
ノーベル賞は伊達ではない。

コロナ失業者が街に溢れますね。
横浜の寿町のドヤ街に住み込んで、行き倒れの人を助けている友人に今からお金を振り込んできます。

きりん