「Love&Eros CINEMA COLLECTION」島田陽子に逢いたい kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
Love&Eros CINEMA COLLECTION
嫌な相手が代役となり、濃厚なラブシーンの途中で逃げ出す陽子。退院して帰る黒田五郎のタクシーに相乗りさせてもらった。そして、五郎のアパートで酒を飲み、一晩過ごす。五郎は彼女をドライブに誘い、故郷の墓参りをするのだが、そこで出会った五郎の元妻。そして娘がガソリンスタンドで働いていることを知り、死ぬ前に一目見ようと素性を明かさず逢いに行ったのだ。その夜、旅館に泊まり結ばれる五郎と陽子。元妻と娘に病気を告白しなさいと説得するが、彼は自殺を選ぼうとする・・・
ネット上ではフェイク・ドキュメンタリーという言葉で飾ろうとする趣きがあるけど、それほどドキュメンタリータッチではない。むしろ、役者とリアル世界、虚と実、そんな倒錯の世界が映画全体を引き締めているのだ。なんとなく『蒲田行進曲』のように、実は芝居だったんだよ~とネタ晴らしをしながら、真実はわからないといった形に似ている。その効果を最も高めているのが、島田陽子をインタビューする生島ヒロシの存在。映画について語ってはいるが、その登場人物の名前が違うところも謎を残し、この映画そのものを語っているのか別の映画を語っているのかわからなくなっているのだ。
旅館での濡れ場シーンは激しくないものの、なぜかエロい。経験豊富な熟女と、病魔と闘っている最中の男。まるで天使のような存在とも言えよう・・・
【2012年ケーブルテレビにて】
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