「訳で読む源氏物語は全く好きじゃない」源氏物語 千年の謎 asicaさんの映画レビュー(感想・評価)
訳で読む源氏物語は全く好きじゃない
紫式部と清少納言のどちらが好きかと言えばもう圧倒的に清少納言。
式部日記など含めてもその感じが昔の昼ドラか?という内容が好みじゃなくて、だから古典好きではあるが源氏物語の話が好きかっていうともう全然ダメで、瀬戸内寂聴訳の物は読んでいてかなりウンザリした。
だが彼女の文章自体は日本のこの時代の言葉の美しさがありその文体の才能というのはあるのだろうと思う。
これは源氏物語と紫式部の現実世界(とも言えないけど)を融合と言うので、見たいかも、と思ったらAmazonプライム・ビデオにさくっとあったので視聴。
原作にも清少納言の文章にもよく出てくる「衣ずれ」の音
これをかなり意識して入れてるのね、と言うのが最初の印象。
当時はこの衣ずれの音で、男女の衣類の着脱を表していてそれが営み音に繋がったわけです。
現代なら ベッドの軋む音。
なんだけれどこの作品においては、ちょっと余計に入れすぎた感はあった。あの沓(くつ)のカポカポいう音もです。
初っ端の一番の違和感はもう何と言っても
桐壺。あれは、あの配役はないわーー。
あんな気の強そうな顔はダメでしょ。
窪塚の安倍晴明は、かなりの批判はあるようだが桐壺に比べたら、あれはあれで棒読みちっくな感じ含めてまあアリ。でもいい。
謎ってなに?
なんで源氏物語を書いたか。
これはもう古典好き日本史好き でなくても一応学習した者であれば定説な内容で
そりゃあ帝を家に呼ぶため。ほんとかどうか知らんけど。
藤原道長は、兄の道綱が早世した事もあって栄耀栄華をきわめていく。
道長に言い寄られたけど相手にはしなかったわ、的な文章が式部日記の方には残ってるらしく(千年後の世の人間に日記読まれるってどうなの?)
全部正直な解釈は出来ないだろうから、もしかしたらこの映画的展開も多少はあったのかもしれない。
道長は今まで丸顔系のでっぷりした配役が多かった中、東山の道長は大いにアリだなあと思った。
当時はお化けや怨霊は いた。と私は思ってる。はい。
現代は漆黒の闇がほぼない。
なので彼らの棲家がない。
絶滅です。
生き霊というのは最も強烈で怖いという。
呪い殺す、ってほど現代人はヤワじゃないが、当時はあったんじゃないかなって思っている。
田中麗奈がなかなか良い。
邦画にしてはちゃんとお金掛かってますよ。
ハリウッドと比べてはダメです。
というのもこういう芸術に出資する企業が日本にはないし世界的収入に繋げられないんだから悪循環的に無理です。
映画として登場人物が絞られていて
これは紫式部と藤原道長の物語であってそれに源氏物語が絡む、と言った見方をすれば、全く問題ないように思えた。
お金払って見てないからかな。
アリでした。