手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しくのレビュー・感想・評価
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ぐウオォーン! (熊)
まあ、期待しろってのが無茶な類のアニメであります。原作はさておいて。
まずね、ストーリーにケリがついてないってのが、そもそもダメ。
三部作構想とか、一本ちゃんと作ってから言え、と。
ただ、コレに関しては、原作のチョイスに問題があったよーな気がする。
長いし、確か、原作は未完だったよーな…。
で、
おそらくそーなるだろとおもいながら観ていたけど、
出家は最後の最後で、要するに、ブッダになる前で話が終わっている。
DAKARA、ブッダ出てこねーの。ぐウオォーン!(熊)
しかも、ブッダになる前は王子だったんだけど、
その出番も映画の半分ぐらいしかないから、原作を知らないヒトには、まったく優しくない。
あの動物と同化できる子供はなんなのよ? ぐウオォーン!(熊)
でも作画は、かなり良かったとおもいますよ。動きすぎて、気持ち悪いレベルで。
ヒトが吹っ飛ぶシーンとか、重力どーなってんのってぐらい、グニグニ動くし。
小鳥なんか、羽ばたきながら空中に停止してたからな。ヘリコプターみたいに。
そんで、
痛快なのは声優さんの棒っぷり。
吉永小百合はね、巧くないけど、おかしくもなかった。
キャストかナレーションか、どちらかにすればよかったけども。
吉岡秀隆も、出番少ないってのもあるけど、
『三丁目の夕日』の演技に比べれば、ずっと普通だったし。
際立ってヒドいのはね、観世清和。
まー…、いままで観てきた吹替のなかでも、ワースト5に入るぐらいの、ヒドさ。
セリフが棒過ぎて、怖いってのは初めての体験だったよ! ぐウオォーン!!(熊)
だけどこれはキャストじゃなくて、キャスティングの問題なんだよな。
こんなものにしちゃった、スタッフの問題ですよ。
三部作とか考える前に、キャスティングとか、しょーもない副題とか、もっとちゃんと考えなさいよ。
そしたら、
本当に三部作やるつもりみたいですね・・・
まだまだ先は長い。。
観ようかどうしようか、かな~り迷って^^;こんなに遅くなってしまった。
でも手塚治虫の、というだけあって上映期間が長い!そして年配層も多い。
原作を知らないので思い入れはなかったが、鑑賞前に劇場にある小冊子を
読んでみたらこれが面白い!(そりゃ手塚センセの漫画ですから当たり前?)
チャプラ(もともと架空の人物らしい)が成り上がるまでのいきさつ云々が、
躍動感のある絵で描かれていた。本作の絵と手塚治虫の絵はだいぶ違う、
今の技術であの躍動感ある動きをどう表現するのかと期待して観てみたが…
絵はキレイだったと思う。似ている似てないは論外。^^;
そして内容は実に壮大。。とはいえまだ第一部の始まりにすぎないため、
まだまだ長いこの後の旅路が気になるところ…いや、、それにしてもブッダと
なるシッダールタよりも、チャプラの人生の方がよりドラマチックで泣ける。
原作でもシッダールタが誕生するまでしばらくチャプラが活躍するんだそうだ。
このチャプラとタッタの身分の低い(スードラの)悲惨な生活、母は売り飛ばされ、
息子は盗みをしなければ生きていけない。同じ身分の者同士、頭を働かせて、
母親奪還には成功するものの、チャプラには更に尊大な計画が持ち上がる。。
これはある意味、運命だったのだろうが…いつかスードラの身分から抜け出し、
母やタッタと幸せに暮らせる日を夢見て…チャプラはある賭けに出るのである。
そしてそれは成功するのだったが…
のちに生まれるシッダールタとの戦闘シーン、一瞬だけ視線を交わした二人。
すでに後光?に照らし出されるシッダールタを見て、チャプラは何を思ったか。
闘って強くなり人々の羨望を浴びて地位を得る。だけどそれは元々の身分を
隠しての出世であり、そうでもしなければ脚光を浴びることもなかったチャプラ。
のちの国王として生まれたシッダールタとは雲泥の身分であるはずなのに、
何もかも恵まれた(でも身体は弱いらしい)シッダールタの方が辛く見えてしまう。
生き物を愛し、身分差を越えて恋に落ちた彼に、国王の決めた罰は重かった。。
人間の幸せはどこにあるんだろうと(だから悟りなさい。ってことなのかしら^^;)
一概に言えるものではないと改めて感じられるストーリーである。物語はいい。
さて、大方の感想に声優が酷い。というのがあって^^;
実はそっちも少し楽しみに観に行ったのだけど(オイ!)いや~、あの国王ね^^;
かなり凄いヒトですが(シテ方観世流能楽師)どちらかというとナレーション向き。
そのあたりは吉永小百合さまとどっこいどっこいですかね~。(液晶、アク○ス)
とにかく一本調子で抑揚がない。商品説明してるような、旅の解説してるような。
お二人ともお声はいいんですけどね~^^;どうも声優ってなると難しいですねぇ。
堺くん吉岡くんに混ざって、しっかりと玄人声優陣が場を仕切っていたところ、
せっかく壮大な物語なんだから、やはり聞き応えのある声をあてて欲しいですね。
そのあたりは気になったんだけど、最後までググーッと観入ってしまいました。
しかしあと二部かぁ…先は長い^^;
(ってことはブッダはずっと吉岡くんが?ゲストで五郎さんは出る?出ないって!)
「手塚治虫の」と入れなければ…
この作品は3部作の第1部でシッダルタの誕生から家を出るところまでが描かれています。
以下は「手塚治虫の」と銘打っているところから見ての感想ですので、原作と比べての批評が多いです。
原作も史実通りではないフィクションの部分が多い作品ですから、「手塚治虫“原案”」くらいの作品として出していたなら、仏陀やその教えに興味を抱くきっかけには良い作品だと思います。
(それでも「映画作品」としての出来は微妙ですが…)
■ストーリー・シナリオ
改変が目立ちます。演出の為に加えたシナリオとかではなく時系列がぐちゃぐちゃです。
タッタはいつまでも7歳児で逆にシッダルタはあっという間に大人になっていて意味がわかりません。(原作ではシッダルタとミゲーラが愛し合う頃タッタは立派な体格の青年になっていました。)
予告でもありましたチャプラとシッダルタの対決シーンは原作にはないどころか、チャプラが失脚する直前にシッダルタが生まれているので2人は会った事もありません。
他、各エピソードもかなり駆け足で「第2部以降で回想として出てくるのかな?」と思われる部分が何ヶ所かありました。
■キャスト
スッドーダナ王があまりに棒読み過ぎて脱力しました。能役者の大御所の方ですから誰もダメ出しが出来なかったのでしょうか…
吉永小百合さんのナレーションはとても優しく穏やかで、しかし凛としていて素敵でした。ただ推定35歳前後のチャプラの母親の役には少々お歳をめされていたかと思います。
吉岡秀隆さんのシッダルタは沈み込みがちで線の細い雰囲気が出ていて良かったです。堺雅人さんもとてもお上手でした。
メイン以外のキャラクターは本職で実力派の方が多く起用されていて大変満足でした。
■演出
特別心打たれる演出はなかったです。「緊迫の戦闘シーン」「心に突き刺さる・涙を誘う演出」を期待していたのですが…響かなかったです。
■ビジュアル・映像
背景や色彩はとても美しかったです。
ただ、動物や群衆の動きなどは映画作品とは思えない安っぽさで、
これは手塚絵ではない為ですが、手塚治虫の描くディズニー由来の可愛らしい動物のデザインや動きが映像で見られなかったのは本当に残念でなりません。
■音楽
作画に合った重過ぎない綺麗な音楽でした。ですが演出がそれを活かしきれなかった感は否めません。
「未完成な油絵」の様な塗りのポスターを見た時からなんとなく嫌な予感はしていましたがあまりにも酷い出来でした。
原作のファンの方は心底がっかりしますので見に行かれない方がいいです。
原作を読まれた事がない方は「これが手塚治虫のブッダか!」とは思わずに、一つのオリジナル作品として見に行かれるのが良いかと思います。
※印象の「寝られる」は一緒に観に行った手塚作品ファンの母が3度程うつらうつらしていましたので。
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