「手段が目的になってしまった迷宮組曲的な作品。」のぼうの城 コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
手段が目的になってしまった迷宮組曲的な作品。
内容は史実に基づく室町時代末期戦国時代の関八州の忍城攻略戦を人物描写豊かに描く歴史スペクタクル作品。印象に残った言葉は、『おっとうだょ。』芦田愛菜の存在感ある言葉が耳に残りました。今では塀の中や墓のなかや役者を辞められた方など時間の経過をつぶさに感じます。印象的な場面は、馬が🐎サラブレッドで凄い筋肉だったなぁと違和感を覚えた事です。全体的にキャストミスな感じがします。しかし原作を忠実に映像として端折る事なく再現しようとする事で肝心な人間関係の心の機微や緊張感が伝わらず残念な纏まりになってます。この無謀な戦の圧倒的な劣勢による絶望感や坂東武者の荒くれた心意気が伝わらず、のぼう様の恋心と百姓を思う浅い気持ち等、肝心要の部分まで蔑ろにされ、創作田楽としての野村萬斎映画になった様に感じました。石田堤と同じでお金はかかってるのに安易に決壊しそうな映画でした。
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