「正義VS正義…シリーズを揺るがす結末!」相棒 劇場版II 警視庁占拠!特命係の一番長い夜 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
正義VS正義…シリーズを揺るがす結末!
"相棒(劇場版)" シリーズ第2作。
通常スクリーンで鑑賞(ワーナー・マイカル・シネマ高の原)。
祖父と観に行きました。
ノベライズは既読です。
劇場版でいちばんのお気に入りです。推理劇の面白さ。事件の奥の哀しみのドラマ。警察組織の問題に切り込む社会性。それらのバランスが程良くとれた良作だと思うからです。
なんと言っても本作の白眉は衝撃的なラスト。初見の時思わず客席から身を乗り出しました。ターニングポイントとなる展開を劇場版で放つと云う大胆さに恐れ入りました。
官房長の死は最大のサプライズ。但しシリーズを通して観ていないと胸に迫るものが無いのではないかと思われ、一見さんお断りになっているのはちょっとばかし残念でしたが。
とは言いつつ、映画と云う広い間口が要求される媒体で、ファンに向けてここまでのことを仕掛けた製作側の賭けに感服すると共に、敬意を表したい気持ちでいっぱいでした。
2時間スペシャルで充分な気がしないでもないですが、特別な作品なので映画として観るのがスペシャル感があって非常にいい。ヒットしたし、国民的ドラマになったんだなぁ…
様々な立場の正義のぶつかり合いがテーマ。組織の力学に仲間を奪われ、自らの正義を懸ける八重樫たちの行動に、社会の理不尽に踏み潰されようとする個人の悲哀を感じました。
どんなことがあろうと自分の中に正義の基準を持つ右京さんは揺るぎません。勝てば官軍の社会において、信念を貫くのは難しい。それでもぶれない右京さんが羨ましかったです。
[追記(2019/08/17)]
「日曜洋画劇場特別企画」での放送以来の鑑賞でした。
細かなシーンが追加されていて物語が補完され、厚みが増したように感じました。神戸尊と大河内監察官との会話と云う形で、特命係が出来たきっかけ、杉下右京と小野田官房長の間の確執を説明する場面も追加されていましたが、これは劇場公開版に入れておいて欲しかったと思いました。
そうすれば、ラストの展開や右京さんの官房長への想いなどが、本作がシリーズ初見の人にも多少は伝わっただろうし、一見さんお断りな作品にならなかったのではないかなぁ、と…
[以降の鑑賞記録]
2011/08/03:DVD
2012/05/06:日曜洋画劇場特別企画
2013/03/31:日曜洋画劇場特別企画
2013/10/13:日曜洋画劇場特別企画(特別編)
2014/04/20:日曜洋画劇場特別企画
2018/03/17:土曜プライム
2019/08/17:Blu-ray(エクステンデッド・エディション)
※リライト(2021/01/06)
※修正(2023/11/04)