「.」ぼくのエリ 200歳の少女 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅で鑑賞。スウェーデン産で原題は"Låt den rätte komma in(正者を招き入れる)"。全篇リリカルな描写だが、微妙で凡作の域を脱してない。赤や朱色が印象的に使われているが、ホラー要素は極めて控え目で、同じスウェーデンの『マイライフ・アズ・ア・ドッグ('85)』辺りのテイストを想起。L.レアンデション演じる“エリ”が獲物を襲うシーンはスピーディで、ゆったり流れる時間軸内でメリハリをつけている。“オスカー”のK.ヘーデブラントは印象的な上、ラストシーンも佳かった。60/100点。
・I.ノード演じる“ヴァージニア”に猫が襲い掛かるシーンは、S.キングのオリジナル脚本による『スリープウォーカーズ('92)』を想起した。「隠れ家」でのシーケンスは、科白回しも良く、ドキドキした。ラストシーン、電車内での遣り取りはスウェーデン語で「キス」を意味する"P-U-S-S"とモールスしているらしい。エンドロールも黒→赤→黒と変化し、シンプル乍ら印象的。ただネタバレ全開の邦題(副題)は戴けない。
・劇中“オスカー”が“エリ”の着替えを覗くシーンではボカシが入れられているが、実は“エリ”の女性器は縫合されている描写がボカされているのだソウだ。コレで“エリ”が繰り返して云う「女の子ではない」の意味が少々違ってくるし、ボカシの有無で作品の印象も変るのではないだろうか。ちなみにJ.A.リンドクヴィストの原作では“エリ”は少年の設定。
・鑑賞日:2012年3月30日(金)
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