劇場公開日 2010年9月25日

「好感の持てる爽やかな作品」君に届け 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0好感の持てる爽やかな作品

2010年9月22日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

幸せ

萌える

恥ずかしながらアニメ版を見ていたので、今回の実写映画化には、期待半分、不安半分だったが、初々しさや瑞々しさは損なわれてはおらず、思いのほか悪くはなかった。これもひとえに、繊細で透明感のある作品を得意とする熊澤尚人監督の力量だろう。

爽子に多部未華子をキャスティングしたのはナイス。大抵こういう役、ガ○キー辺りがキャスティングされる所だが、多部未華子が演じた事で新鮮味があった。オリジナルの雰囲気とはちょっと違うかもしれないが、彼女なりの爽子像が出てたと思うし、可愛いらしかった。
三浦春馬の風早は、ベタなキャスティングやな〜と思ったが、やっぱり彼しかいないかな。
蓮佛美沙子、桐谷美玲ら若手俳優もフレッシュに好演していた。flumpoolの主題歌も作品世界に合っていた。

だが、少し展開が早く、エピソードを詰め込み過ぎなのが残念。くるみとのやり取りや千鶴の失恋などがあっさりし過ぎていた。もう少し心情を細やかに描いて欲しかった。それが、本作の魅力の一つはず。

漫画の映画化なので、不満点があるのは致し方ないが、それでも好感は持てた。昨今、若者向けの恋愛モノは、どちらかが死ぬとか悲恋が主流だが、本作のようなハッピーエンドもあっていい。ヒロインの名前通り、爽やかな作品に仕上がった。

近大