4匹の蝿のレビュー・感想・評価
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『白い肌に狂う鞭』『4匹の蝿』の名画座2本立て鑑賞。 ロックバンド...
『白い肌に狂う鞭』『4匹の蝿』の名画座2本立て鑑賞。
ロックバンドのドラマー、ロベルト(マイケル・ブランドン)。
演奏途中のスタジオに舞い込んだ蝿のために、いまひとつ調子が悪かったある日、演奏を終えたあと、謎の男につきまとわれてしまう。
コロセアムのようなところでナイフを取り出した男ともみ合ううち、誤って男を刺して殺してしまう。
殺しただけならまだしも、観客席様のところから、妖しい薄ら笑いのお面をつけた男に、その現場写真を撮られてしまう。
その後、ロベルトを脅迫するように、謎の人物から当時の写真が届けられ、ロベルトの家政婦が何者かによって殺されてしまう・・・
といったところからはじまる物語で、監督・脚本はダリオ・アルジェント。
なかなかミステリー要素の多い映画で、家政婦が殺された後、ロベルトに誤殺された件の男が実は生きており、その男も何者かに殺されるまでは、正統派ミステリーの雰囲気。
この中盤までは、かなりよろしい。
共に暮らしていた妻ニーナ(ミムジー・ファーマー)はロベルトのもとを離れ、ロベルトは事件の解明・犯人を暴くべく、友人のボヘミアン男性ふたりに調査を依頼するとともに、本職の私立探偵にも調査を依頼する。
妻がいなくなったロベルトのもとには妻の従妹ダリア(フランシーヌ・ラセット)が来、ロベルトと仲良くなり・・・というサーヴィスカットを挟んで、ダリアも殺されてしまう・・・
と展開するのだけれど、この中盤からは、ややだれ気味。
ボヘミアンの男性ふたりや、ゲイの私立探偵など、コミックリリーフを挟んでいるのだが、そこがあまり上手くいっていない。
ダリアも殺されてしまうが、死ぬ寸前に犯人を見ている筈と踏んだ警察は、ダリアの眼球を取り出し、網膜に残った像を解析。
そこに映っていたのは、横に並んだ「4匹の蝿」だった・・・
というのは、当時でも、現在でも新味の趣向。
もしかしたら、手塚治虫が『ブラックジャック』で換骨奪胎して使用していたかもしれませんが。
この網膜由来証拠で、ついには予期せぬ犯人が明らかになる・・・のだけれど、まぁ、だいたい予想は付くよね。
ただし、犯人の動機は、納得できない八つ当たり的で、そこいらあたりに納得できない御仁もいるかもしれないが、この手の映画では許せる範囲。
ダリオ・アルジェント監督としては、『サスペリア』などのオカルト趣味&血まみれ映画を作る前の作品で、サスペンス&ミステリーを真面目にやろうとしているあたりに好感が持てます。
出演陣では、マイケル・ブランドンはイケメンでもなく、それほどのところでもないが、ニーナ役のミムジー・ファーマーは少々エキセントリックで役にうってつけ。
そういえば、未見ながら『炎のいけにえ』『危険旅行』など、この後、微妙なB級映画にちょくちょく主演していたのを思い出し、先の2本も観たくなりました。
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