「 本作をアドベンチャー映画だと思っている人は、大間違い。」アデル ファラオと復活の秘薬 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)
本作をアドベンチャー映画だと思っている人は、大間違い。
本作をアドベンチャー映画だと思っている人は、大間違い。
不慮の事故で、植物人間状態となった妹を救おうと、ジャーナリストのアデルがピラミッドを探検して、ファラオの棺を発見。復活の秘薬を手に入れようとするまでのアドベンチャーなシーンは、見応えタップのスリリングさで、その後の展開を期待させて充分でした。
しかし本国に戻ってから、ドタバタ気味なギャグ映画となっていきます。もとより軽い笑いを狙った作品だったのでした。
政府の依頼で復活した翼竜を追うハンターたちのお馬鹿さ加減は呆れるばかり。翼竜を復活させたエスペランデュー教授は、よく分からない罪で投獄。そこにアデルが復活の秘法を求めていとも簡単に何度も変装で刑務所に出入りしてしまったり、教授の判決が即刻ギロチン台で断首刑になるなどむちゃくちゃな展開。アデルの妹の不慮の事故も、あり得ない原因によるアクシデントでした。
そしてファラオとその近習たちが次々復活していった後のくだりは、なんだか『ナイトミュージアム』そっくりなんですね。
冒頭のアドベンチャーとしてのシーンが良かっただけに、女インディジョーンズとしてアクションにこだわって描いて欲しかったです。リュック・ベッソン作品なんですから。 余りに予告編がスタイリッシュに決まっていて、本作がコメディ映画とは気付きにくい編集となっているところが、宣伝会社の罪作りなんですよ。
それでも女優を発掘する監督の眼力はさすがです。新しいミューズとして、画面のなかのルイーズ・ブルゴワンは、魅力たっぷりでした。単なる美人女優としてでなく、アドベンチャーにつきもののアクションや苦手なは虫類への対応など、体当たりで演じていたのです。
ピラミッドで発掘を競い合った宿敵テュールヴーが最後にどうなったかがエンドロールで出てきますので最後まで席を立たないでください。