「記憶に残るスーパー・ヒロイン」アデル ファラオと復活の秘薬 かみぃさんの映画レビュー(感想・評価)
記憶に残るスーパー・ヒロイン
拙ブログより抜粋で。
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予告編を見る限りでは女性版インディー・ジョーンズを思わせる本作だが、本編を観るとかなり趣が違う。
舞台もほとんどがパリ市内でこぢんまりまとまってて、アドベンチャー巨編を臭わせるエジプトなんて、実際は最初のちょっとしか出てませんもの。
どちらかというとアクション・アドベンチャーというより、おバカなオカルト・ギャグ映画、もとい、小粋なフレンチ・ファンタジー・コメディなのよ。
ストーリーも破天荒を通り越して支離滅裂。なんとなく話が進むドタバタ劇にごまかされてしまうのだけど、よくよく考えたらわからないことも多い。
アデル自身の設定からして、物書きらしいことはわかったんだけど、ジャーナリストらしさはまるで見あたらない。
冒頭でアデルの邪魔をしていた男がマッドサイエンティストだなんて、パンフレットを読んで初めて気づいたぐらい。そもそも因縁があるっぽいのに、ほとんど出番がない。終わってみたら、「なんだったんだあの男?」状態。
そんな行き当たりばったりな展開ばかりのゆるいお話なんだけど、でもこれが案外楽しめた。
なぜなら主人公のアデルがやけに魅力的なのよ。演じるルイーズ・ブルゴワンは美人だし、男勝りなんだけど華があって好き。
この一点突破で他愛もないおバカ映画は記憶に残るスーパー・ヒロイン映画になった。
ルイーズ・ブルゴワンの熱演ぶりに、こちらも世紀の怪作『僕の彼女はサイボーグ』(2008年、監督:クァク・ジェヨン)の綾瀬はるかを思い出しました。
とにかく妹を救うことだけを行動原理に一直線に突っ走るアデルが無鉄砲ながらも、ほんと凛々しくて素敵。
そのキャラクターにブレがないから、どんなにバカバカしくて脱線だらけのお話でも、なんだか好感が持てる。
コントにしか見えない七変化の変装をしちゃったりしてんだけど、そんな姿も妙に健気で笑みがこぼれてしまう。
おまけにそこまでする必要もないだろうと思えるシーンで、おっぱいポロリのサービスカット付き。その真面目に取り組む大胆さに益々好感度アップ。
いや、別にイヤらしい意味じゃないですから。日本の予告編ではご丁寧にカットされているけど、本国フランスの予告編ではチラッと映ってるし。フランスじゃこの程度の露出は普通なのかね。