「「八日目の蝉」:スピンオフ・ドキュメンタリー」アヒルの子 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
「八日目の蝉」:スピンオフ・ドキュメンタリー
『八日目の蝉』
北乃きいさんが演じた薫が実在して、何かの拍子に
『戦場にワルツを』に触発をされ失われてしまった
自分の記憶を探し求め始めたのをドキュメンタリーに
したらこんな感じになるんだろうなぁ・・・
上映終了後、今作、
セルフドキュメンタリー作の
小野さやか監督の舞台挨拶と
パンフレット購入者へのサイン会が急遽開催されました。
パンフ買うまでは心を動かされなかったなぁ
小野監督がパンフにサインをしながら
一人一人に映画の感想を尋ねているのを
私は横目に見つつ、皆様の感想に聞き耳を
たてていたのですが、眼を潤ませたまま、
監督に話している人もいて、なかなか好評でした。
パンフサイン会終了後
サインだけはもらいたいなと、
チケットの裏にサインをダメもとで
お願いしたところ快く応じてくださり頂いてしまいました(笑顔)
◇ ◇
5歳のとき
ヤマギシ会に預けられ
1年間家族と離れ離れに
暮らしたときの記憶がなかった小野監督。
その記憶を探し求めること、
そしてどれだけ自分が寂しい思いをしてきたか、
どれだけ家族に気をつかって生きてきたのか、
思いのたけをすべてぶつける様子を描いたセルフドキュメンタリー。
私は最近まで愛知県に住んでいたこともあり
お隣の三重県にあるヤマギシ会のことはニュースや
新聞報道で知っていましたし、また『八日目の蝉』を
読みながら、主人公が身を隠した施設にヤマギシ会と
似た部分を感じていましたので、なかなかドギツイ描写も
ありますが、作品の世界には、案外すんなりと入ることができました。
ただなぁ。
小野監督の苦しさや家族たちと向き合おうとする勇気に震えつつも
芸人じゃないんだから、ここまで身を削らなくてもいいじゃん
との思いが、どうしても最後まで拭えませんでした。
だって家族がよく今作の上映をOK出したと思いますもん。
それくらい小野監督の気持ちが赤裸々に出し切られていますからね。
『息もできない』
ヤン・イクチュン監督は自分や周囲の体験を
フィクションにして同作品を完成させました。
もし、それをフィクションにせず
今作のようなドキュメンタリー仕立てに
したとしたら、似たようなテイストになったのかもしれません。
☆彡 ☆彡
撮影をしたのは5年前。
公開するまで、それだけの
年月を要したことになります。
それだけの重さが作品の中には確かに存在しました。
生きていてよかった
小野監督、
作品の中の姿よりも
遥かに美人で垢抜けていて驚きました。
本当、生きていてよかったですね(笑顔)