「演技を超えた神々しさすら感じさせる肉体」あしたのジョー septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
演技を超えた神々しさすら感じさせる肉体
原作未読。
テレビアニメも未鑑賞。
山Pと伊勢谷さんが、猛トレーニングで
ウェイトを極限まで、絞りこんだこと。
香川さん、30年来もボクシングの虜になっており、
自分の演技に徹するだけではなく、ボクシングシーンでは、
実際に演技指導をしたこと。
昭和のドヤ街は、CGではなく、
実際にオープンセットをつくり、
これには原作者のちばてつやさんも感激されていたこと。
こんな状態で上映開始を待ちました
(期待のハードルは結構高かったです)。
★彡 ★彡
美術さんと
撮影監督さんには、
星5個では足りないな(拍手)
初めて伊勢谷さんを心の底から
カッコいいと思ったよ。どっちが
主役なんだかわかんなかったな(大拍手)
上映終了後、
座席で小さく拍手をしたのち、
(舞台挨拶付きなら絶対大拍手してた!
立ち上がる人がいたら一緒にスタンディングオベーションしてた!!)
撮影監督の実績を知りたくて、パンフ売場へ直行。見本を手に取り、
他のページはすっ飛ばして、スタッフのページへ。
『ICHI』(08)を撮影していた方で、
それ以外は、映画に関する実績はあまりないようでした。
事前に知っていたオープンセット。
試合中のカメラの動かし方。
この2点に痺れてしまいまして、
映画スタッフのこだわりと熱意に感激してしまいました。
◇ ◇
ボクシングシーン。
お二人の演技を超えた
神々しさすら覚える肉体だけでなく、
ボクシングも真剣勝負そのものに見えました。
あれ、絶対本気で殴り合っていますよね
(実際、そうらしい)。己の肉体を駆使して、
役に真正面から向きあう真摯な姿勢。
映画館の背もたれつきの椅子で見るのが
なんだか申し訳ない。思わず正座をして、
拝みながら見てしまいたくなる、それほどの、
役者魂が衝撃として私の魂をも、お二人のパンチが天に突き上げてしまったのでした。
もう、最後の直接対決のシーンは、
劇中の女の子役の姿ではありませんが、
眼を覆って見ていられないほど。ゴングが
鳴ったその瞬間に、涙でスクリーンがぼやけてしまいました。
外に出てから帰る途中にも、
自然にシャドーボクシングを、
してみたりして、完全に映画の
世界に浸りきったまま帰路につきました。
その瞬間、それまで降っていた雪が上がる。
なんだか、奇跡づいた作品となってしまったのでした(笑顔)
◇ ◇
と、5点点で終わらせようか
とも思ったのですが、もったいなさを感じたことを3点。
①時代考証、こだわりぬいていたのに、
ボクシング会場の通路だけが平成仕様だった。
②刑務所の中と、外に出てからのボクシングシーン。
周りのお客様の演技。刑務所の中のプロの役者、外に
出てからの素人のエキストラ、演技力の差が歴然と、
し過ぎ。一瞬、興ざめしかける場面あり。
③ラストシーン。
○年を感じなかった山Pの芝居。
己の状況を感じさせてくれた伊勢谷さんの芝居。
ここは役者の力量の差か、監督の演出の妥協か、
どちらかわかりかねますが、最後の最後になるだけに、
キッチリと締めてもらいたかったです。人としての厚みを感じさせて欲しかったな。
★彡 ★彡
「超よかったんだけど!」
うしろの席にいた、若い男の子の声。
最後に細かいことを書きましたが、私も一緒です!
夕陽の使い分けなんていった、
演出もあって、それもなかなかよかったです!!
今作キッカケに
ボクシング人口+ボクシングファン増えるんじゃないかな(笑顔)