「ちょっと路線変更かな?!」インフェルノ おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと路線変更かな?!
以前「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」を劇場で見て,最近テレビで放送されたものも見て,バッチリ復習して臨みましたが,その必要はなかったです。ラングドン教授がその専門知識を生かして,過去に宗教や芸術にまつわる謎解きをしたという設定がわかっていれば,それで十分です。
今回もやっぱり美女と行動を共にし,美しいイタリアの街を舞台に謎解きに挑戦します。見ているだけでイタリアに行ったような気になり,それだけでも劇場で見てよかったと思えます。ストーリーも序盤から謎の連続で,誰を信じていいのかわけがわからず,ドキドキの展開で最後まで観客を飽きさせません。そういう意味では,期待を裏切らない作品だと思います。
でも,前2作と比べると,作品全体のテイストがちょっと変わったなと感じます。前作までは,歴史的事実に宗教や芸術を絡めて新たな解釈を加え,埋もれていた謎を解くような展開で,これが作品の大きな魅力になっていたと思います。しかし本作で解く謎は,生物学者ゾブリストがダンテの「神曲」を借りて仕掛けたものです。したがってそこには歴史的な新解釈や発見はなく,謎解きが終わっても「ほ~,なるほど」って感じになりません。まあ,そのおかげで,前2作に比べて格段に理解しやすくなっているともいえますけど。
本作だけ見れば,十分に楽しめる1本で,多くの人におすすめできます。ただ,シリーズの流れで見ると,ちょっと物足りないかも。自分は,前作までの歴史ミステリーな感じのほうが好きですね。
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