「「シエナ」と「ゾブリスト」の扱いが残念!!」インフェルノ dstonyさんの映画レビュー(感想・評価)
「シエナ」と「ゾブリスト」の扱いが残念!!
原作との相違は必ずあるだろうし、時短と明解さのためには仕方ないと理解して鑑賞したが・・・。
残念だったのは、「シエナ」と「ゾブリスト」について。
「シエナ」について:
他の方も書いているが、シエナは孤高の天才ゆえ孤独に苦しみ、ゾブリストというもう一人の天才に出会って初めて、この世界に理解者と居場所を得る。その彼女は、ゾブリストの理念には共感するが、結果的に問題のウイルスを自分の責任として破棄するために、ラングドンを裏切る形で、誰より先にウイルスに辿り着こうとする。
このような設定が説明されないままでは、シエナは「単なるイタい女」でしかない。
「ゾブリスト」について:
また、もう一人の天才ゾブリストの作成したウイルスの性質についても一切説明されず、「大量殺人ウイルス」みたいになってしまっている。原作で説明されるウイルスが現存すれば、ある意味「本当に世界を救ってしまえるのではないかと思ってしまうほどのウイルス」である。
さらに、原作では想像するだけでおぞましいゾブリストの残した動画の不気味さも全くない。
映画だけ見ると、ゾブリストは「悪の権化」「狂気の研究者」といった域を超えていないが、原作を読むと、ゾブリストは単なる悪人ではなく「本当に天才なんだ」と実感させられる。
これを見たかたで原作未読の方は、古本でも売っていると思うので、原作を読むことをお勧めする。その結果、映画とは全く違った結末について、また、その後の世界について思いを馳せることになると思う。
個人的な感想:
原作を読んだ者としての感想=★1つ
原作未読で観ていたならば。=★3つ
コメントする