クロッシングのレビュー・感想・評価
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ノワール的、重苦しい緊迫感
本作は邦題のネーミングに軍配だね。
3人の運命がスラムの団地で交錯するクライマックスへの緊張感が切ない祈りに。そして、なんとか助けたい気持ちが募ってくる。残念で悲惨な結末へ。
3人とも救いたかった。結果的に一番執着しなかった彼が生き残る。なんとも言えない皮肉な幕切れ。
この警官(finest)の誰が優れてる(finest)って?
犯罪者から金を奪おうとしたSal。友を殺した裏切り者を私刑にするTango。彼等の悲劇的最期は因果応報。一方、無気力だったEddieは、退職間近に新人警官を思いやる心情に至り、退職した日に監禁された女性を救う。警官(finest)の悲哀は感じるが、誰が優れている(finest)かと問われても答えに窮す。日本の警官が、ここまでは拗らせていない事を祈る。
クロスしてなくてもおもしろい。
ギア扮するエディは「正義」に悩み、真の「正義」を知る。
ホーク扮するサルは「愛」に悩み、行き過ぎた「愛」の末路を知る。
チードル扮するタンゴは「地位と信頼」に悩み、葛藤の末「それ」を断つ。
ストーリー、演出、展開、すべてに於いて、伝えたいものが痛いほど伝わってきた映画でした。
バランスのいい見やすい映画でした。
汚いお金。されどお金。
A・フークア作品らしくサスペンスの練り方は悪くないが、
132分という上映時間は長すぎやしないか?と思った。
中盤~後半にかけての、いよいよか?と期待する3人の
絡みはほんの一瞬、そこが巧いかどうかは置いといて…
とにかく前半は、文句なく長い^^;
冒頭の、エ!なにそれ?的なシーンは凄い。
このE・ホークの突然の銃撃が何を意味したのかを知ると
とりあえず切なくはなるが、だからってその切羽詰まった
家庭内の状況を、捜査にまで持ち込むのはどうなんだ!
同僚のアドバイスをよそに、家を買うことにのめり込む
半ば狂った麻薬捜査官を、迫真の演技で彼は見せる。
潜入捜査官のD・チードルは、もはや身も心もボロボロ。
妻には離婚を切り出され、逮捕目的であるボスに親近感
すら抱いてしまう。どうすりゃいいのさ、という不安の中、
最もやりたくない仕事を新女捜査官から強制依頼される。
(これ誰かと思ったらE・バーキンなのね~)
この描き方は、けっこう他作品でも観てきた気がする。
いちばん情けないんじゃないか?と思わせたのが、
我らがセクシーガイ(だった)R・ギアなんだけど、エ?
何だかとっても普通というか地味な引退間近の警官役。
新人からもバカにされ、とはいえこのまま無事に定年を
迎えたいと頑張ってきた彼は、最後の事件まで自我を
押さえ続けてきたが…。
同じ警官同士(課はまったく違うけど)ということで、
この中の2人が絡むシーンが少しだけある。その時壁に
貼られている写真が、あとで重要な事件に繋がってくる。
…こんな感じで、作りや練り方は巧いのだけど、今一歩、
緊張感に繋がるピーンとしたものがないため退屈に。。
其々を其々のスタンスで描こうと身辺を色々と見せるが、
ドラマチックに描きたいのか、職務を全うさせたいのか、
様々な要素を盛り込み過ぎて、ワケが分からない状態。
だから、ラストの惨劇で…観客は唖然としてしまうんだと
私は思うのだけれど、いかがなものか。
(汚いお金は汚ないところに流れ着く。より善か、より悪か)
正義とは何か?
アメリカの闇の部分が描かれていたと思います。タクシードライバー(1976年 ロバート・デニーロ)フレンチコネクション(1971年ジーン・ハックマン出演)ダーティハリー(1971年クリント・イースドウッド出演)の刑事ものを思い出しました。どうなるか、はらはらしましたが、やっぱりそうなってしまいました。ちょっと むなしい。
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