クロッシングのレビュー・感想・評価
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ノワール的、重苦しい緊迫感
本作は邦題のネーミングに軍配だね。
3人の運命がスラムの団地で交錯するクライマックスへの緊張感が切ない祈りに。そして、なんとか助けたい気持ちが募ってくる。残念で悲惨な結末へ。
3人とも救いたかった。結果的に一番執着しなかった彼が生き残る。なんとも言えない皮肉な幕切れ。
この警官(finest)の誰が優れてる(finest)って?
犯罪者から金を奪おうとしたSal。友を殺した裏切り者を私刑にするTango。彼等の悲劇的最期は因果応報。一方、無気力だったEddieは、退職間近に新人警官を思いやる心情に至り、退職した日に監禁された女性を救う。警官(finest)の悲哀は感じるが、誰が優れている(finest)かと問われても答えに窮す。日本の警官が、ここまでは拗らせていない事を祈る。
それぞれの苦悩
あんまり交わらない
ドンチー!
腐った(腐らされた)3人の警官たち。それぞれの行く末から目を離すこ...
警官たちの苦悩
リチャードギア扮する1週間後に退職する警官エディは、犯罪多発地域に新人を送る事になったのでその教育を頼みたいと命じられた。エディは嫌がったが、押し切られた。警官の中には人種差別する様な悪徳警官もいれば、ドンチードル扮する離婚されたタンゴ潜入捜査官もいた。エディは、今日は暴行、明日は殺人といった状況を22年続けてきたが、新人警官からは見て見ぬ振りですかとなじられ、とにかくあと7日とつぶやいた。エディは、銃に弾を入れていなかった。昇進を狙ったりイーサンホーク扮する家のために金策に窮するサルの様な警官たちの苦しさやネガティブな面を描いた問題作だが、リチャードギアでももう年だからか見下された様なこういった作品にも出るんだね。
正義と苦悩のクロッシング
NYブルックリンの犯罪多発地区を舞台に、3人の警官のドラマが交差するクライム・サスペンス。
見始めはイマイチな感じだったが、見ている内に段々と面白くなっていった。
アントワン・フークアらしい硬派な作風の、2009年の作品。
3人の警官。
ベテラン警官のエディ。
麻薬捜査官のサル。
潜入捜査官のタンゴ。
定年退職まで後一週間となったエディ。最後の仕事は、新人教育。ヤル気マンマンの新人とは対称的に、何事も無く退職したいエディは軽犯罪や市民のモメ事などを見て見ぬフリを決め…。
家族の為に引っ越しを考えているサル。が、金が足りない。資金調達に困ったサルは、汚職や法の道を外れる事もしばしば…。
潜入捜査に全てを捧げ、人生も家族も犠牲にしてきたタンゴ。昇進も無く、危険な任務に嫌気が差していた。潜入捜査官という立場ながら、ギャングのボスのキャズとは固い友情で結ばれ…。
3つのドラマが同時進行していくが、最初は特別交錯したりせず、それぞれ展開していく。
唯一共通しているのは、3人共、警察官という仕事に不平不満を持っている事。
浮かばれない、満たされない、辛く苦しいだけ…。
そんな時3人にそれぞれ、転機となる事件が起きる…。
新人ととある店で、店主と若いチンピラのいざこざの制止に入ったエディ。新人にこの場を任せ、車の無線で報告に行った矢先、新人がチンピラを…。
チンピラが麻薬を保持していた為、警察は都合よく解決しようとするが、エディは責任を取る…。
ある麻薬現場に踏み込んだサル。そこで、大金を発見する。
誰も見ていない。横領するか否か、激しく揺れる…。
タンゴに昇進と引き換えにある命令が下る。キャズの逮捕。
ある話を持ち掛けて網に掛けようとするも、友情と任務の間で揺れ動く。そんな時、思わぬ襲撃が…。
この3人に降り掛かった危機が、代わる代わる展開していくシーンはスリリング。
3つのドラマが同時進行していくからこそ重層的だが、一つ一つでも充分見応えアリ。
リチャード・ギア、イーサン・ホーク、ドン・チードルらの熱演。
特に、チードル演じる潜入捜査官タンゴのドラマが良かった。ギャングのボス役のウェズリー・スナイプスも久々に実力派としてのいい演技を見せている。
20年勤務した警察を事務処理的に退職したエディ。もう何の未練も無い…筈だった。
行方不明となっている少女がギャングに連れ去られる場面を目撃する…。
自暴自棄になったサルはある現場へ。そこで遂に、大金を懐に…。
ある報復の為、下っ端ギャングを追うタンゴ。行き着いた先は…
序盤~中盤はすれ違う程度だった3人の命運が遂に交錯する。
ラストはなかなかに重苦しい。悲劇的でもあり、まさかの展開。
それぞれの正義と苦悩の“クロッシング”の果て。
決して正義は勝つ!とか、後味良いものではないが、その分リアルに突き刺さる。
家族、友情、そして正義
刺激的な面白さ
困った時はフークア作!
何を見ようか迷った時はフークア作を観ればまず間違いない。
リチャードギアか…あまり期待しないでおこう、と思って観たらめちゃくちゃ面白い!
映像が重くてヒリヒリしてるし、展開力と場面転換が秀逸で一気に引き込まれた。
イーサン・ホークのダメな感じは相変わらず悲哀に満ちて素晴らしいし、ドンチードルもさすが、リチャードギアもやさぐれ感と良い親父具合が素晴らしかった。
登場人物がすれ違う度に「おう!」と鳥肌が立った。
お互いの人生に関与はしてないが、同じように人生の転機があって、勝負の時がやってくる。というのは、映画的であるけど現実味もあって、この手法はメモしとかないと!と思った。
汚職警官がいなくならないのもイーサン・ホークを見てるだけで分かってしまうような、金と家族のために自分が汚れる事を良しとするというのは気持ちは分かってしまう。
欲を言えば、あのラストの後も観たかった。
イーサン・ホークの同僚はイーサン・ホークの家族に金を渡しててほしいなぁ…なんて想像してしまう。
3人とも
なぜ警察の汚職がなくならないのか
イーサンホークのヤサグレ感が最高!
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