白夜行のレビュー・感想・評価
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えげつない
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少女時代の堀北の母親は鬼で、堀北に少女売春をさせていた。
アル日とらされた客は、唯一の友人である少年の父親だった。
その様子を偶然にも少年が目撃、父親を刺殺した。
さらに2人で少女の母親をガスで殺した。
犯人はバレずに2人は大人になるが、堀北は鬼みたいな女になる。
表面上は純粋だが、敵となる存在を影でレイプさせたり、毒殺したり。
また親友の恋人を奪って玉の輿に乗り、そこの会長に気に入られ上り詰める。
そしてその影で、上記の男が暗躍していたのだった。
ずっと事件を追い続けて来た刑事の船越は、定年後真相を全て見抜く。
そして男を不憫に思い、身元引受人になるから自首するように言う。
しかし男は全てを自分が背負って飛び降り自殺。
船越に問われた堀北は、その男を知らないと言った。鬼過ぎ。
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うーん、えげつな過ぎ。そして長過ぎ。
おそらく強烈なメッセージ性があるんやろうけど、
おれ的には堀北に痛い目に遭って欲しかったなあ。
堀北って清純派と思ってたけど、こういう役を受けたのは偉い。
女優として立派だと思います。
映画化することに無理があった?
原作を読んだ時これは映画化は難しいのでは?と思ったがやはりその通りだったようだ。雪穂役はもっと美人でなくてはいけない(では誰がと言われると難しいのだが)し、そもそも原作は結構大作(そしてあまり無駄な挿話が無いので)2時間程度の映画にするのは無理があるかも。原作では雪穂と亮司が主語の部分が多かったはずだが映画では刑事(=船越英一郎)がほぼ主役と言える。間違いなく言えることは原作の方が遥かに良かった、ということ。
重く暗く、切ない。
雪穂と亮司は普通の子どもとして生きたかっただけかもしれない。大人の身勝手さに振り回される子どもって自分が知らないだけで世の中にはすごく沢山いるのだろうかと考えると胸が締め付けられた。
原作未読だから見えたのかなと感じた。 内容を一気に凝縮した感じにな...
原作未読だから見えたのかなと感じた。
内容を一気に凝縮した感じになるのはしょうがないとして
船越さんの屋上のシーンの演技に今一つはいりこめんかった。
ドラマは長いし丁寧に描けるからきっといいんだろうとは思う。
(セカチューもドラマのほうが感情移入でけたし)
堀北ちゃんの演技ももともと得意ではないけど
役柄にぴったりあっていて怖かった。
原作も読んでみたいけど内容が内容だけにパワーがいるね。。
「まさか!」の連続
主人公である堀北真希は全く本音を話さないんですが、周囲に起こっている事実を刑事が知ることでそのまま人格を想像させられるという間接的な伝え方が気に入りました。他所で見ないような手法ではないんですが、新たな事件や明かされる事実が「まさか!」の連続で・・・。
特に「大人の女はダメなの」からの真相は声を出して驚きました。これによって全てが覆ります。
辛い、、、
★★★★★
昭和30年代、廃墟となった建物で質屋の店主の遺体が発見される。
第一発見者の少年たちはその廃墟へ幾度も訪れたことがあると話し、いつもは開いている扉の鍵がその日はかかっていたと証言する。
遺体のズボンのベルトの穴がズレていたことから、警察は犯人が女だと判断し、さらに遺体発見現場が廃墟であったことから堂々と会えない相手、すなわち不倫相手ではないかと推測する。
店主の不倫相手とその夫が被疑者になったものの、事故死ないしは自殺してしまい、捜査は打ち切られた。
担当刑事だった笹垣潤三(船越英一郎)は捜査中に被害者と被疑者の子供らに会っており、事件の幕引きがどうも腑に落ちないが、時が過ぎてしまう。
十数年後。
殺された店主の息子である桐原亮司(高良健吾)と、被疑者の娘である唐沢雪穂(堀北真希)は共に高校生になっていた。
雪穂は養子縁組した義理の母親に茶道を教わりながら大学進学を目指し、学校でいじめを受けていた江利子(緑友利恵)という学生と親しくなる。
その頃、江利子をいじめ、雪穂のあらぬ噂を流していた女子学生がレイプ被害に遭うが、第一発見者は江利子と雪穂だった。
「私たちが言わなければ誰にもばれない」と言って、秘密を握ることで女子学生を自分達から遠ざける。
一方で亮司は年上の女に体を売って金を稼いでいたが、一人の女と一緒に住むようになる。
しかし、亮司が青酸カリを使って殺人を犯していることを知った恋人は、罪をかぶって自殺してしまう。
雪穂と江利子は同じ大学に進学するが、金持ちの篠崎という先輩と恋愛関係になっていた江利子は、宅配業者に陵辱されてしまう。
雪穂は篠崎と深い仲になり、結婚する。
その際に篠崎は探偵を雇って雪穂の素性を調べさせていた。
探偵は、彼女の周りでたびたび起こっていた陵辱事件の首謀者が雪穂だったことを突き止めるが、何者かに白昼堂々、青酸カリで殺されてしまう。
雪穂を嫌っていた彼の妹もまた何者かに陵辱されてしまうが、雪穂は自分の過去を語ることで彼女を慰め、彼女の警戒を解き、心を支配する。
20年前の殺人事件の捜査が終わった後も個人的に調査を続けていた笹垣は、退職後、ついに二人の関係と、連続陵辱・殺人事件の真相に気付く。
亮司と雪穂は幼い頃、同じ児童館に通ううちに親しくなったこと。
殺された亮司の父親は、雪穂の母親と不倫していたのではなく、幼い雪穂を性のはけ口としていたこと。
雪穂の母親はそれを知りながら、金のために黙認していたこと。
自分の父親と雪穂が廃墟で一緒にいるのを見てしまった亮司が、雪穂を守るために父親を刺殺し、雪穂の母親も自殺と見せかけて殺したこと。
事件から何年も経った今も二人は通じており、児童館のぬいぐるみでメッセージを届け合い、計画的にいくつもの事件を起こしていたこと。
真相を突き止めた笹垣に追い詰められ、亮司はビルから飛び降りて自殺する。
現場で死体を抱きかかえた笹垣に「これが誰だかわかるか」と問われた雪穂は、「私は知らない」と呟き、また空虚な笑顔を浮かべて生活に戻っていく。
長い期間、亮司に陰で支えられながら欲しいもの(男、金、地位、信頼、名声。もしかしたら江利子との出会いすらも仕組まれたものだったのかも知れない)を一つ一つ手に入れ、成り上がってきた雪穂。
手に入ったものへの執着は、亮司の死を目の当たりにしても揺るがない。
亮司は、自分の父がしてしまったことへの贖罪と懺悔のため、雪穂を密かに見守り、彼女が欲しいものを手に入れるために自分の人生を捨て、あらゆる犠牲を払った。
父親を刺した後、まだ息がある彼の背からハサミ(父に買ってもらったものだと言っていた)を抜き取り、ズボンのベルトを締め、証拠隠滅のため廃墟を荒らし、混乱してのたうち回り、湖で必死に手を洗いながら泣き叫ぶ亮司の姿が印象に残った。
彼が死んで彼女が生きるという結末は、単に「悪女に振り回された男」というのではなくて、幼い頃に負った傷が雪穂の方がずっと深かったということを象徴しているのではと思った。
生きていく中で傷付くことは不可避で、時として必要だけれど、負わなくていい心の傷は負わなくて済むように、負わせてしまわないように、息子を守っていきたいなぁ〜とぼんやり思った。
やっぱ子供ものはダメだ〜泣いてまう〜〜
特に、幼い亮司が鏡で「遊ぼう」とモールス信号を送り、雪穂を誘うシーンはやばかった。
傷付いて、怯えて、絶望していても、安全な環境にいるときは無邪気な子供でいられる。
まだ完全な怪物になっていなかったその頃なら、彼らに手を差し伸べて、なんとか救ってあげることができたのに、と考えるとあまりにも切なくて苦しい。
思い出すだけで泣きそうだ〜〜ひえ〜〜〜
子供の犯す犯罪の完全性への説明が足りない
総合65点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
それぞれが抱える泥沼の地獄の苦悩に端を発して、何の力もない子供が心の闇を抱えながら自分を偽り人知れず怪物へと変貌していく。そういう物語の基本は悪くはない。
だがまずそれを裏付ける展開が薄い。小中高とどのようにして世間に知られることもなく彼らは自分たちの極めて密接な関係を長期間維持してきたのか。その手段がモールス信号だけならぱあまりに細い。いくら苦悩や重大な秘密を共有していたとしても、多感な成長期の子供がこれだけのことで人の生死を左右するような関係と行動を持ち続けることに違和感を覚える。また彼らの学生時代がかなりはしょられて描かれているから余計にそう思える。
次に、彼らの犯罪の完全性に疑問が残る。彼らの存在と行動は、彼らの犯した多くの犯罪が完全であり、警察にばれることなく、さらには疑われることすらもなかったから安泰であったといえる。例えば雪穂の母親が死んだとき、その部屋でどうやって内側から鍵をかけていたのか。その後の婦女暴行事件やさらに重大な殺人事件までもあり、特に殺人となれば警察も大規模に捜査をするであろうに、警察はどうしてこうも無能で犯人像に近寄ることすらできないのか。そのあたりが描かれていないのに、自分の立場をよくするためであろう計画通りの犯罪だけがあっさりと成功してすべてうまくいってしまうのには、釈然としない思いが残って納得いかない。まして子供がそこまでの知能をもって完全犯罪を次々に遂行してしまえるという理由が描かれていないのはおおいな不満である。
恐ろしい人の仮面を被った怪物の姿と、それが作られた原因ばかりが描かれていて、結局彼ら二人がそれをどうやって成すことが出来るようになるかについての具体性がこの作品には欠けているのだ。テレビ版も原作も見ていないのでもしかするとそちらにはそういうところまでしっかりと描いてあるのかもしれないが、少なくとも映画版だけ観ると片手押しに思える。自分たちの邪魔になるものは排除し自分たちの役にたつものは利用し、それらを犯罪行為で成し遂げました、でもずっとそれはばれてません、そしてどうやってそれを実行したかも最後まで教えません、というのは製作者側の都合が良すぎる。
あの子から、とってもいい匂いがした
映画「白夜行」(深川栄洋監督)から。
東野圭吾さんの長編ミステリーを、堀北真希さん主演で映画化。
ただそれだけの情報で、実は未だに原作を読んでいない。
間違えて、映画「白夜(2009)」(小林政広監督)を観てしまったが。(笑)
ミステリーだから、きっと問題解決のヒントとなる台詞があるはず、
そんなつもりでメモをし続けたが、最初に心に引っ掛かった台詞が
「あの子から、とってもいい匂いがした」
殺人の容疑者として、母を事情聴取していたはずなのに、
捜査に当った若い刑事が、面白い台詞を口にする。
その娘(のちの堀北真希さんが扮する容疑者の娘、雪穂)さんの匂い、
それがどんな意味を持つかは、事件のナゾが少しずつ解明されることで、
だんだん大きくなり、ある瞬間「あっ、そうか!」とその台詞と繋がる。
この台詞、映画独自の台詞なのか、原作にも書かれているのか、
楽しみにしながら、図書館へ足を運ぼうと思う。
う〜ん、今考えても、意味深な台詞だなぁ。(汗)
テーマが不在では・・・・
原作のファンだけに映画化には少し、不安でした。やっぱり的中。正直映画化して何をテーマに置くのか・・・。原作では二人は影と日向で同じ存在というテーマを被害者の少年と加害者の娘と言うシチュエーションのバランスの面白さもあった。小説のほの暗いアンダーグラウンドな雰囲気は決して描き切れていない。キャストも演技も悪くないが最後のエンディングが微妙で原作を知らない人は「悪女に踊らされた少年」って感じで終わっていて勘違いしちゃうだろうなって思いました。いずれにせよ東野圭吾の作品は2時間程度の作品では厳しい。
面白かった!が…
東野圭吾さんの本は好きで、いろいろ読みましたが、この「白夜行」は面白いんだろうなぁと思いつつも、その分厚さから少し抵抗があり、読んでいませんでした。
そして、今回映画化ということで楽しみにしていました。
原作未読ということもあり、序盤からぐいぐい東野ワールドに引きずり込まれていきました。そして終盤で謎が解け、とても悲しい真実が明らかになるところで、深く考えさせられ、感動しました。今現在の子供たちをこんな悲しい目にはあわさせてはいけないと心から思いました。
ストーリーだけでもすばらしいのですが、話の流れがとても美しく、序盤~中盤の「謎」が終盤の謎解きで、するするっと、からまった糸がほどけるように解けていく様がとてもキレイで、素晴らしい作品だなぁと思いました。
しかし、他のレビュアーさんたちの評価を見て回ると、思ったほど高い評価は得られてないことが分かりました。
これは原作の素晴らしさが、「映画化」ということで時間の都合上、削られてしまっていることが原因なのでしょう。
そんな評価の映画版がとても素晴らしいのですから、原作はもっと素晴らしい名作なのでしょう。また時間があったらぜひ読んでみたいなと思います。
原作既読の人よりも、未読の人にオススメです。
堀北雪穂に拍手
最初は堀北のベットシーンがあるという邪な気持ちで観賞した。しかしそれは見事に覆された。笹垣と篠塚が雪穂の生い立ちを語るシーンと雪穂と亮司の子役が無邪気に遊ぼう、遊ぼうというシーンは友人や周りを気にせず号泣してしまった。たぶん雪穂と堀北をだぶらせた観たからかもしれないが。賛否両論はあるかもしれないが、堀北は雪穂を見事に演じたと思う。良子がレイプされてしまったのは雪穂なのに、白々しくお大事にというシーンと最後の亮司が自殺してしまった後少しの動揺はみせたが、私は知らないと言ってその場を立ち去る雪穂に怖さを感じた。
心を殺した子供。
まるで胸が張り裂けるような…って、こんな時に使う
表現なんじゃないか。と思うくらい、切ない話だった。
原作、TVドラマ、いつもの如くまったく知らず^^;
東野圭吾のミステリーは好きだが、今作は題名のみで
内容はまったく知らなかった。だから衝撃も大きい…。
いやはや、何といえばいいんだろう。まさにそれ。
チラシ裏面で作者が語っていた、この話を読んだ人は
皆何かしら定義付けようとするがそれは不可能である。
彼らの気持ちを理解することなんて、誰にもできないと、
まさにその通りだと思った。こんな体験、しようったって
できるもんではないし、語れったって誰に話せるだろう。
なんだかもう、一人間の選択ギリギリのところを描いて
見せられたようで、本当に何とも言い難く辛い話だった。
でも。。決して気持ち良いとはいえないその展開の巧さ、
これは原作ありきだな、と思えた。
ドラマ版は知らないが、この映画版もおそらくそれぞれ、
演出する側の「定義付け」によって作られたものだから
観る側の捉え方も様々だろうと思う。良いか、悪いかで
バサッと斬れる話でもないところが難しく、好きか嫌いか
と聞かれてもどう答えればいいのか、戸惑うような感じ。
巧い。でも、気持ち悪い。みたいな…^^;
子供の頃に体験した凄惨な記憶が、その後の人格形成に
多大な影響を与える…って、言葉で語ると簡単になるが、
まさしくそれをまざまざと見せつけられるのがこの作品だ。
ともあれごく普通の家庭に育った子供達にしても、親が
子供に与える影響の、いかに大きいことかを教えられる。
さらには子供達の、生きていくための知恵とその能力にも
驚かされる部分が多い。今作を観ているとまるで大人が
バカみたいに思えてくる。単純で、欲に忠実で、理性の
かけらも感じられない。傷の深さを測れば、断然子供達に
軍配が上がりそうな雰囲気にできている。刑事以外は。
キャストの構成も悪くなかったと思う。
堀北真希のゾゾっとさせる部分もあまり厭らしくなく、
高良健吾は相変らず地味な役がよく似合う^^;気が。
子役たちの熱演も(こっちのが重要?)なかなかなもので、
その事件性はツッコミ所も多い気がするが、雰囲気は十分。
一見なんの繋がりも見せない部分がぐんぐん真相に繋がる
ラストの種明かしは観応えがあるが、最後ってああなるの?
元刑事と青年のクライマックスが、ちょっと肩透かしだった。
(船越英一郎を出すんなら、自供はビルより断崖の方が^^;)
テレビドラマ版より好きだ。観たことないけど…
封印した過去を葬るべくいかなる手段を用いてひた隠しにしようとする常にクールな堀北&高良とは対照的に、定年退職後も執拗に真実を求め追い続ける船越の熱い刑事魂。
対峙する両者の温度差が印象的だった。
3人同士が交わる場面はほとんど存在せず、各々が背負う皮肉な運命を丁寧に紐解いていく事で、明らかになる接点に説得力を生ませ、暴かれる全容に打ちのめさせてくれる。
底辺だろうがセレブだろうが、人が成功するには踏み台になる犠牲者と、生け贄を踏みつけ、のし上がる覚悟が必要となる。
孤独感に病む幼き日の堀北が熱心に読みふけっていた『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラは、階段を駆け上った女性の象徴で、氷の如く澄み切った微笑みを浮かべながら、ベッドで次なる獲物の前にて全裸となり、露わとなった背中が更に冷たい美しさを放っていた。
男と女がネチネチと交差する情事の大河ドラマは見応えあったけど、2時間半はチョイと長い。
2時間サスペンスの帝王・船越英一郎が刑事役だったから、脳が勝手に2時間以内の賞味であるとインプットしたため、ズレに戸惑ってしまったからかもしれない。
個人的には高良健吾の人生にもっとスポットを当てて欲しかったが、サスペンスとして損はない一本やと感ずる。
では最後に短歌を一首
『刻む闇 情事の渦を 悪戯に 憂う氷は 過ちを編む』
by全竜
「わたしは、知らない・・・」
原作やドラマをまったく知らない、情報ゼロの状態で観ましたが、
正直、難しかったです。ストーリーを理解するのが。
探偵事務所の人の遺体が雨に打たれているシーンなんて特に。
その意味がわかったのは、笹垣刑事が篠塚一成に事件の全容を説明している
ところから。
笹垣刑事の説明がなかったら、なんにもわかんなかった。
亮司が雪穂のために動いていることすらも。
最後の雪穂のセリフ、
「わたしは、知らない・・・」
は、怖すぎて、鳥肌が立ちました。
キャスティングに違和感
原作の小説も読んでいないし、テレビドラマも観ていません。
全体の印象としては、とにかく映像も音楽もセリフも、トーンが暗い…。ストーリーも悲劇的なものなので、ふさわしい演出ということになるのかな。
物語の最後に、過去の殺人事件の真相が明らかになって、観ている側も「ああ、そういうことだったのか」と思いましたが、刑事がどうやって謎を解くのかというところに重きが置かれているわけではない気がしました。どちらかというと、殺人事件の真相がわかることで、なぜ今、彼らはこんな人物像になったのか?という謎が解ける感じなのかなあ。
この辺が、古典的な推理小説と一味違ってるところかもしれません。
堀北真希、高良健吾、船越英一郎はいずれも、いい芝居をしていたと思います。
ただ、堀北真希という人は、ルックス的にちょっとファニーというかイモっぽさがあるというか庶民的というか、そんなイメージがあるので、私としては今回の役はちょっとしっくりこなかったかなあ。彼女の演技がよくないのではなくて、キャスティングに違和感があったということですね。
堀北真希と高良健吾は子供時代に悲惨な体験をしている役で、子供時代は当然子役が演じています。子役がいい演技をするためには、その悲惨な体験を理解しないといけない気がするのですが、プロの役者とはいえ、子供にどうやって説明するのかなあ。それとも、そこは説明しないで演技指導するのかなあ。この映画を観ていて、ふとそんなことも気になってしまいました。
うすい?
導入部から恐怖を呼び起こさせるような始まり方。
うめき声、わめき声、泣き声が激しくて耳に残る。
原作もドラマも見ていたので、どうしても比べてしまう。
ドラマ約10話でまとめていた作品を
2時間にきれいにまとめていたように思う。
でもやはり物足りないのだ。
原作も相当厚いし、あのすべてをちゃんと映像化しようとしたら
やはりドラマがちょうどよかったんだと思う。
外から出来事を眺めるような描き方だった。
だからか、登場人物がどう感じているのかが出てこない。
ドラマのほうが亮司がいかに苦しんでいるかがすごく伝わってきて、
ラストはとてもかなしいものだったけど、
映画は感情が伝わってこないから、高良くんが泣き出してもいきなりだなという印象しかない。あのときがはじめての本心の表れのように思えた。
もう一度原作とドラマを見たくなった映画だった。
観ました!
刑事役の船越英一郎さんが事件を追いかけるというシチュエーションは凄く見慣れた感があり安心して観れた反面、ストーリーは事件の発端が幼児性愛という忌々しい物で、そのギャップが衝撃的でした。
しかし東野圭吾さんの作品って先日TVドラマ化された『秘密』も、ある意味ロリコン的作品でしたし、もしかして…。
白夜行
東京国際映画祭にて鑑賞。
驚いた。
二時間半近くの時間を感じなかった。
しかし、おもしろかったからでも、引き込まれたからでもない。
まったく心が動かなかったからだ。
『感想がない』のである。
ここで難しいのは、面白くないという感想もないということだった。
ディテールにこだわった映像や、脇役に至るまでの過剰になりきらない演技、昭和の、あの頃の時代考証と、いずれもよかったと思う。
しかし、それだけだった。
『心が動かない』というのは、作品として「面白くない」ことよりも、もっと致命的で、失敗作といえるのではないか。
しかし、先に書いたようにパーツはよかった。では、なぜそうなったのか。
監督は当日の舞台挨拶で、
「作品にとても魅了された。東野圭吾さんという作家、ではなく、深川という作家が、白夜行という原作を受けて、僕の切り口でお見せたかった」
と語った。
これが原因ではないか。
映画のストーリー展開ではないのだ。
とにかくストーリーにメリハリがない。淡々と、静かに進んでいく。
いつおもしろくなるのかと思いながら見ていたら、そのまま映画が終わってしまった、という印象だった。
それは、時系列に忠実に描きすぎてしまっていることが原因ではないかと思う。
もう一度いいたいが、これは映画なのだ。
原作は、文字を追い、映像や音といった五感を自分の想像力で補いながら物語を読み進めていく小説である。その間、読者は、小説と重厚且つ濃密な関係を築いている。そこに時間の制限はなく、理解ができなかったならば、何度も戻って読み返すことができるのだ。
しかし映画は、視覚と聴覚をメインとしているが、時間的に制約がある。つまり、小説とは対極に当たる表現方法なのだから、小説と同じアプローチでいいはずがない。
素人ながら例を挙げるとするならば、出だしから雪穂の夫と元刑事の笹垣との会話から始まってもいいかもしれない。
もしくは、笹垣が亮司の母が営む場末のバーで話しているシーンでもいいかもしれない。
刑事である笹垣が、公に容疑者にもなっていない雪穂を追い続けているという現在から、その理由を過去の事件と共に回想し、その事件には常に雪穂の影があった事を明らかにしていく。やがて事件の真相に気づくという展開などにはできなかったのだろうか。
どこか作り物のような、得たいの知れない美しさを持つ雪穂という女性は掘北さんに、決して表に出ることはなく、影ながら雪穂を支えてきた亮司という男は高良さんに、お二人ともとても合っていた。
二人を確実に追い詰めていく笹垣刑事役の船越さんもすばらしかった。
亮司を愛したあの女性も、二人の子供時代を演じた俳優二人もすばらしかった。
私は、東野圭吾の白夜行という小説を、深川監督がどう「映画」にするのかが見たかった。
残念だといわざるをえない。
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