瞬 またたき : インタビュー
■岡田将生とは半年ぶりの再会
北川と岡田はフジテレビ系ドラマ「太陽と海の教室」で共演しているが、当時は副担任の教師(北川)と生徒(岡田)という役どころ。それだけに、恋人という設定に違和感はなかったのだろうか。
「半年ぶりくらいの再会だったのですが、まったく違和感はなかったですね。『初めて会う俳優さんと手をつないだりするよりは全然やりやすいね』と話をしたら、岡田くんも『まったくその通りだ』と言っていました。気心が知れていましたし、一度演じてみてしっくりきたので、打ち合わせも特にしませんでした」
■もっと演技が上手になりたい
その岡田と挑んだトンネルでの事故シーンは壮絶を極め、現場の空気は緊張感に満ちたものだったという。北川らは撮影前日にリハーサルを行なったが、「監督から『本番一発で出し切ってね』と言われました。どういう感じになるのかな……、できるのかな……、と他人事のように思っていたのですが、いざ本番になると泉美の気持ちになれました。本能的に演じたので、技術いうよりも感覚的にやったという印象が強いです」と真摯(しんし)に話した。北川にとって、辛く思い出したくない過去の記憶との静かな対話が、演技という形で結実した瞬間といえる。
今後も、映画では吉瀬美智子、阿部寛主演作「死刑台のエレベーター」、“月9”ドラマ「月の恋人~Moon Lovers~」と話題作が続々。現在は、無我夢中になって目の前の仕事に取り組んでいる状態が続いている。
「仕事以外のことが疎かになっていますが、今はそれでいいと思っています。とにかく時間が許す限り色々な役を演じて、もっと演技が上手になりたいんです。そして、もっと多くの監督さんや俳優さん、女優さんと仕事がしたいし、女優としての立ち位置を確立しなければならないと思っているので。10年後、『あのころ若かったな、夢中だったな』と思えたら、笑って振り返ることができるんでしょうね」