トイレットのレビュー・感想・評価
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手作り餃子が死ぬほどうまい
母親がこの世を去り、兄妹3人と英語の通じない日本人のばあちゃん、それにネコが遺されることとなった。
いつも二階の窓際に座ってネコを愛でるばあちゃんは、英語ができない、見たこともないミシンを直す、長いトイレから出て深いため息をつく、日本の代名詞であるすしを食べない、手作り餃子が死ぬほどうまい、といった数々の"神秘的な奇跡"を巻き起こす。
それによって、不格好だがばあちゃんと3兄妹との対話が生まれ、それぞれの営みが徐々に変容し、チューニングされていく。あほみたいに深読みな気がするが、そんな様は、どこか、イエスと信者とのやり取りのような、キリスト教的世界を思わせる。
言葉が通じなかろうが、本当に血がつながっているか怪しかろうが、背中を押してくれる存在は大切。でも、ラストシーンが象徴するように、その存在はとてもニヒル。だから人間は、人生は面白い。
母親を失い、まとまりのない3兄妹がばーちゃんを中心に絆を紡いでいく...
母親を失い、まとまりのない3兄妹がばーちゃんを中心に絆を紡いでいく。
ほとんど言葉を発しないもたいまさこの存在感はすごかった。
そしてユーモラスに描いているところも良かった。そんな過程が心温まる作品でした。
洋画
もたいまさこだけが日本人で、あとは撮影もキャストもカナダ人、なので字幕
日本から呼び寄せられたばーちゃんと孫3人+猫
ばーちゃんは英語が話せないので
もたいまさこはあのずるいビジュアルだけで勝負!(笑)
猫の名前がセンセー
おびただしいガンプラ
シンガーの足踏みミシンとテキスタイル
イクラ必須のパーティー寿司に餃子作り
エアギター大会とパンパンに札が入った財布とか
にやにや感が満載で楽しい♪
かもめ食堂からのこのシリーズはセンスの良さだけが拠り所だからね
妹のリサが本当にやさしい子で
兄モーリーが超絶スカート(ロング)が似合うとこ
プラモデル 3000ドル
DNA鑑定 3000ドル
車の修理代 3000ドル
ウォシュレット 3000ドル
臨時収入 +3000ドル
で主人公レイが悩むところが見所かな
【最強の”ばーちゃん”異国のトイレで深い溜息をつきながら、母を亡くした3兄妹を結びつける。】
<登場人物>
・長男モーリー ある出来事のため、4年間引きこもり。
・次男レイ ある企業の実験室に勤務。ロボット系プラモデルオタク。
アニメも好きな、見た目からしてオタク。
・長女リサ 勝ち気で毒舌。惚れっぽい。
・ばーちゃん(もたいまさこ)
娘が亡くなる直前に日本から呼んだ。英語は話せない。毎朝トイレが長く、出て来ると深い溜息をついて自室に戻る。兄弟喧嘩をしたレイには黙って手製の”餃子”を焼いてくれる。
3兄妹と言葉は交わせないが、彼らの気持ちは通じるようで、必要な際には財布からおもむろに紙幣を取り出し、孫たちに与える・・。モーリーにはスカート?用の布地代を。リサには、エア・ギターコンテストに出場する費用を・・。
・謎の女性(サチ・パーカー)
レイが同僚のアグニから教えてもらった、日本の二つのタイプのトイレ。
和式と新しい西洋式トイレ。西洋式は”マドンナ”が絶賛した”ウォッシュレット。”
”ばーちゃん”は満面の笑顔で”ウォッシュレット”を指さした・・。
モーリーが、過去のトラウマを乗越えて、お手製の花柄のスカートをはいてピアノ・コンテストのステージに登場。ざわつく会場・・。
”ばーちゃん”は車いすから立ち上がり、今作中、初めて声を出す。”大声で・・”。
<良いなあ。英語の出来ない”ばーちゃん”が、遺された三兄妹の絆を徐々に紡いでいく様が素敵な物語である。もたいまさこさんは、台詞を発しなくても、抜群の存在感である。>
<2010年8月28日 劇場にて鑑賞>
☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 冒頭と最後に、次男坊であるレイ...
☆☆☆★★
※ 鑑賞直後のメモから
冒頭と最後に、次男坊であるレイのナレーションと。彼の目線から語られる話なのが解る。
途中で妹のエピソードや、ひきこもっていた兄が、意を決して外に出るエピソードも或るので、一瞬は違和感を感じるものの。それ程には逸脱しない為に、大きな問題とは言えないと思う。
監督自身が。『かもめ食堂』の時に、来日したスエーデンスタッフの、日本のホテルのトイレ事情に驚いた…とゆうエピソードを。どうにか映画に出来ないか!…と思ってのが製作のきっかけと語る。
そんな日本の最新テクノロジーは。主人公であるレイの、ロボットオタク心と対比させ。スエーデン繋がりは、妹のエアギター好きに関連付ける。
まるで怪物の様な登場の仕方をするもたいまさこ。
この〝ばーちゃん〟と3人が、心を触れ合うきっかけとなるのが、昔はどの家庭にも必ず1台はあった家庭用ミシン。この設定はなかなか巧い。
ただ、そのミシンを使おうとする人物の、過去の辛い話等は。限られた台詞の情報だけを観客に提示する。
それだけに、観客側は何となくその〝匂い〟らしきもので想像する他はない。
映画はかなりの部分で、固定カメラによる画面構成されており。出演者達はその空間を行き来する事となり、まるでサイレント映画の様な趣きを持つ。勿論、現代の作品なので。カメラは時折ゆっくりとパンするのだが。終盤に於いて長男が、過去のトラウマを振り払う決心を固めた時に。初めてと言ってよい程に、カメラは大きなアクションを起こす。
この3人兄弟には、それぞれのの心の中に闇を抱えている。長男は過去の出来事を。
妹は詩を書く事での空想から〝本当の自分探し〟をしている。エアギターはそんな自分を解放する心の支えでもある。
主人公のレイは、1番冷静に見えても自分の中にあるオタク観を他人に感じさせない様に絶えず振る舞っている。おそらくは、心の中のどこかに恥ずかしさがあるのかも知れない。
初めてウォシュレットを体験した時の衝撃を、強調する為に。トイレに餃子にミシンにエアギター。
これらのパーツを若干強引に詰め合わせている感はなきにしもあらずか?
サチ・パーカーとの触れ合い。アグニと妹はその後どうなったのか?そしてその後の自分は?等。回収されずに終わるところもあり、その辺りはちょっと残念に感じる。
もたいまさこの演技はまさに怪演。
唯一発する台詞に関して言えば。 観ている、「その相手じゃないんだよなあ〜!」…って思うところはありますが。
しかし、我々日本人には馴染みの深い彼女の演技。彼女の傍らに猫が居るだけでついつい嬉しくなってしまう。
そして、海外の人達が観たならば。「一体、コイツは何者だ〜!」と思うのじゃないだろうか?
特に絶賛したいのは煙草を吸う場面。
かのグレタ・ガルボを彷彿とさせるその貫禄に乾杯だ!
2010年9月1日 新宿ピカデリー/スクリーン5
小さなおうちとシンガーのミシン
座り心地の良さそうなソファ、陽当たりのいい窓辺、微睡む猫
大きくはないけれど落ち着けるママの残した我が家、そんなサイズ感のコンパクトながら良い映画
何も言わないばーちゃんとふれあううちに少しずつ自分を取り戻していく3兄弟に家族の大切さを教えられる、等身大の自分でいていいんだと無言で言ってくれているようだ
セリフ無しの演出も効果的で最初は得体の知れない宇宙人のような他人から兄弟たちの“ばーちゃん”になっていって、作中唯一の発言シーンにはジーンとさせられる
ばーちゃんの餃子が食べたい
オチはピアノの軽やかさで、諸行無常の響きあり
娘に先立たれた母
娘に先立たれた母親が、娘を悼むために娘の暮らした外国を訪ねる
─ってことですね。
ばーちゃんは深いため息を時折くり返す。
「ウォシュレットがないからため息が出る?」なんて、そんなどうでもよい理由ではないでしょう。
窓辺に座るもたいまさこの表情を見ればわかります。
娘を失うって、
どんなに悲しいんだろう。
ばーちゃんの、外国で奔放に生きた娘を想いつつの、母親を失った喪失感からの回復期にある孫たちとの再生の物語と見ました。
だから、ウォシュレットは彼らの元気回復のための たまたま一つのアイテムですね。
そして
モーリーおめでとう、よくやった!
妹、エアギターの苦難の道、見たかったぜ!
兄ちゃん、ウォシュレットもガンダムだ。金使え、みんなの喜びのために!
・・・・・・・・・・
《きりんの自分語り》
①僕の弟が幼稚園のころ、「スカートほしい」と言った。オッケーしてミシンに向かった我が母と、嬉々として表に飛び出して行った弟を思い出した。
②子どもを育てるってのは、イコール、孫を育てるという事。つながっているんだ。孫の未来を育てるって事。
日本映画のゆるい感じがいい。
わけがわからないものが、そのままわけがわからなかったりするのがちょっときになる。なぜ、ばあちゃんは金持ちなの?なんであのばあちゃんはあんなに愛想が良くないの。なぜため息つくの?ばあちゃんが謎多すぎる。もはや、ばあちゃんはそういう人だということで、見るしかないのか。
血の繋がりとかじゃなくて、一緒に過ごす中で、絆ってやっぱり深まって行くし、しょうもないという人もものすごい才能を持ってたりする。
しょうもない話なんだけど、これだけ、魅力的に映せるのは、すごいと思うし、独特の間もよかった。
ラストも不謹慎すぎて笑えない。
告知で思い描いたものとまったくちがった。
もっとおばあちゃんとコミュニケーションをとってほしかった。
おばあちゃんがただ「存在」してるだけで周りが勝手に変わっていたのであって、日本人のおばあちゃんが「何かしてあげる」って部分が極端に少なすぎる。
映画告知とのギャップがありすぎるから、
映画館で観ていたらさぞ裏切られたと憤慨したことだと思います。
ラストも不謹慎すぎて笑えない。
この内容の薄さとスローテンポは、好みが極端に分かれると思います。
最高
「みんな、やりたいように、おやんなさい。」
本作品のポスターに書いてありましたが、みんな(兄弟妹)ビビりながらも最終的には、やっちゃいましたね!(^^)いやぁ楽しかった!
(やりたいように、やっちゃってる)その姿が頼もしくて、清々しくて、見ている此方まで楽しくなる。(^^)♪
幸せな出会いや時間は、長さじゃないな濃度だな。笑
家族・兄弟妹のエピソードも好き。
最後のオチに思わずクスり(*^^*)♪
幸せな思い出は、胸の中にあればそれで充分♪
その他は全部、水に流して前へ進みます♪
このシリーズ好きです
期待を裏切らない、ほっこりする作品でした。もたいまさこの表情の変化や、きょうだいのセリフにも、言葉や他の繋がり以上に大切なのものを感じることができた。
ばぁーちゃん!
荻上直子監督作品で「かもめ食堂」に続いて鑑賞。
北米カナダ人兄弟妹と母方の日本人である“ばーちゃん”との心の交流を独特のタッチで描いています。
4人&猫一匹の奇妙な生活は最初はギクシャク、お互いに自分本位でぶつかっていた兄弟達。でも、物言わぬばあちゃんは、何気に一人一人の小さな個性を大切にしてくれて、その優しさがだんだんとみんなの心に沁みてきてほんわかしてくるのです。
もたいまさこさんの“ばーちゃん”が良かったです。異国の地で自分一人言葉も分からないのに、ユーモラスさ・懐の深さがにじみ出ている、そして無駄な生き方をしないグットジョブ人を好演していました。兄弟達が呼びかける“ばーちゃん”の発音が何とも心地よいのも和みました。
そして忘れてならないのは、この作品で認識した、日本が世界に誇るウォシュレットの偉大さ(笑)おちも忘れていませんでしたね(笑)
音楽が◎
「間」がすごく多くて、言葉ではない意思疎通を描くシーンが多いなーと思った。
衝突やすれ違いといったフラストレーションが、レイやモーリーやリサに、何かを乗り越えて前に向かっていく力を抱かせる「家族」に変わっていく過程がほのぼのとゆっくりと描かれていて、めっちゃリラックスできる。
ばーちゃん
「プール」「マザーウォーター」と荻上直子監督の疑似映画が続いたが、こちらは正真正銘本人の作品。
全編カナダが舞台&英語の台詞に挑戦、「かもめ食堂」「めがね」とは違う印象で、またまた変化球。
母親を亡くした3兄妹と、日本からやって来たばーちゃん。
社会にも馴染めず、お互い干渉もしなかった3兄妹が、ばーちゃんの存在によって変わり始めていく…。
所々日本文化を挿入し(スシ、プラモ、ウォシュレット、古いミシン等々)、人種は違っても家族の姿を、独特の雰囲気の中に描いていく。
意外にもストーリー仕立てだが、何処か癒される世界観は健在。
それを体現してくれているのが、もたいまさこ。
ずっとムスッとし、最後の最後まで喋らないが、時折微笑みを見せ、奥深いばーちゃんを味わい深く好演。「クール」の一言には感動。
この独特の佇まいこそ、もたいまさこの真骨頂。(さすが荻上直子、使い方が上手い)
樹木希林に次いで、稀有な存在の女優だ。
全33件中、1~20件目を表示