あの夏の子供たちのレビュー・感想・評価
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長編映画2作目となるミア・ハンセン=ラヴ(29歳)だが、彼女の長...
長編映画2作目となるミア・ハンセン=ラヴ(29歳)だが、彼女の長編1作目をプロデュースするはずだったアンベール・バルザンの自殺をもとに作られた映画。 映画って製作するのが大変。ムーン・フィルムではこれまで50本ほどの映画を作ったと言ってたから、まだまだ映画会社としては小さいほうだろうか。累積の借金にプラスして、芸術肌のわがままなスウェーデン監督のせいで予算が逼迫。銀行も融資してくれなくなり・・・と、前半は会社をなんとか立て直そうとするグレゴワールだったが、ついに疲れ果てて拳銃を手にしてしまった。ケータイ人間と子どもたちからも批判されるほど仕事人間。仕事上の人間関係は誰にでも温かく好かれる性格だが、家に帰ると家族を溺愛。そんな中でのイタリアへの家族旅行(長女除く)が輝いて見えた。 後半は彼が死んでからの物語。妻シルヴィアは夫が映画会社で働くのを嫌がってたけど、いざとなると再建に奔走するのだ。そして、長女は映画館に通い、様々な映画を理解しようとしているところが痛々しくも勇気をもらえる。それでも父の隠し子という秘密を知って微妙に揺らぐ思春期の娘。凛々しく立ち振る舞う妻の姿もいいが、親とは疎遠になるんじゃないかと反抗期のような雰囲気から一変する長女がよかった。
受け継がれる記憶
「夏時間の庭」を髣髴とさせる、 複数の主人公による構成と‘印象派的’映像感覚。 感情移入できる登場人物、出来ない登場人物が 色々出てくるのは当然かもしれないが、 思春期の娘の存在感には誰もが胸を打たれると思う。 流れるように日々を映し出す中で、 家族の記憶は確実に受け継がれているのを感じさせ、 ほろりと涙した。
心に深く染みいるシャシン
この作品が長編映画2作目となる29歳の新鋭ミア・ハンセン=ラブ監督が、彼女の長編第1作のプロデュースをするはずだったアンベール・バルザンの自殺を題材に、経済と芸術との間で葛藤するプロデューサーの光と闇、強さと弱さ、生きる意欲と死への衝動。そしてその彼を支える家族への愛情と、家族の彼への深い愛情を、一見淡々と、しかし、温かく深いまなざしをもって描いています。 深い森の中で、初夏の木漏れ日を眺めるような、心に深くしみいるシャシンです。
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