劇場公開日 2010年5月29日

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「 長編映画2作目となるミア・ハンセン=ラヴ(29歳)だが、彼女の長...」あの夏の子供たち kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 長編映画2作目となるミア・ハンセン=ラヴ(29歳)だが、彼女の長...

2018年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 長編映画2作目となるミア・ハンセン=ラヴ(29歳)だが、彼女の長編1作目をプロデュースするはずだったアンベール・バルザンの自殺をもとに作られた映画。

 映画って製作するのが大変。ムーン・フィルムではこれまで50本ほどの映画を作ったと言ってたから、まだまだ映画会社としては小さいほうだろうか。累積の借金にプラスして、芸術肌のわがままなスウェーデン監督のせいで予算が逼迫。銀行も融資してくれなくなり・・・と、前半は会社をなんとか立て直そうとするグレゴワールだったが、ついに疲れ果てて拳銃を手にしてしまった。ケータイ人間と子どもたちからも批判されるほど仕事人間。仕事上の人間関係は誰にでも温かく好かれる性格だが、家に帰ると家族を溺愛。そんな中でのイタリアへの家族旅行(長女除く)が輝いて見えた。

 後半は彼が死んでからの物語。妻シルヴィアは夫が映画会社で働くのを嫌がってたけど、いざとなると再建に奔走するのだ。そして、長女は映画館に通い、様々な映画を理解しようとしているところが痛々しくも勇気をもらえる。それでも父の隠し子という秘密を知って微妙に揺らぐ思春期の娘。凛々しく立ち振る舞う妻の姿もいいが、親とは疎遠になるんじゃないかと反抗期のような雰囲気から一変する長女がよかった。

kossy