「男の見せる弱さと時代を感じるロードムービー」幸福（しあわせ）の黄色いハンカチ　Cape Godさんの映画レビュー（感想・評価）

総合：75点
ストーリー： 75
キャスト： 80
演出： 75
ビジュアル： 70
音楽： 70

　前半はやたらとうるさい武田鉄也がちょこまかと動き回り、そのせいで馬鹿だけど軽くて楽しいロードムービーだった。後半は一転して高倉健の身の上話で俄然深刻になって、一見強そうな男の抱える重圧や後悔や弱さがなかなかの見物だった。それほど笑えたり感動したりしたわけでもないのだが、結局旅の過程の三人のやりとりと演技が面白くて退屈しなかった。
　赤いファミリア、ピンクレディ、70年代ファッション、街並み、炭鉱と、見ていて時代を感じた。それが古くて悪いというのではなく、その時代の最先端が時代を経てしっかりと振り返られる存在になっているかなと。ロードムービーで広大な北海道を舞台にしているわりには、その雄大な自然があまりいかされていなくて平凡な風景に留まっているのは意外。