「まじめな男」シリアスマン kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
まじめな男
クリックして本文を読む
まずは彼のクラスにいる韓国人の学生が単位を落とされそうになり賄賂を渡すが、彼はそれを拒否したため父親が名誉棄損で訴えると言ってきた。息子は授業中にラジオを没収され、そこに隠した金も取られ、マリファナの代金を払えず困っていた。家では隣人が境界線を浸食し始め、彼の居候の弟が娘を困らせていた。挙句の果ては彼の妻から離婚を切り出された。しかし、再婚の相手サイは交通事故であけなく死亡。
登場人物はすべて一癖ありそうな者ばかり。その中でも主人公のラリーはきわめて真面目な男。だからこそ災難が降りかかっても対処できないでいるのだ。次々とラビに相談し、離婚や境界線に関しては弁護士に。そうしている間にもレコード会社からの督促、弟がギャンブルしたため警察の厄介になったりと、細かな災難が彼を苦しめる。神は何をしてくれたのか、ユダヤの一員になることに何の意味があるのか、などなどシニカルな切り口でまじめな男(シリアス・マン)を攻め立てるのだ。
結末はいかに?と思っていると、巨大竜巻注意報が発令されて、何も解決しないかのようなぶつ切りのエンディング。それでも永久在職はOKだったみたいだし、息子ダニーのラジオも成人式を執り行ったラビの手によって返される。しかし、連鎖的に多額の弁護士料の請求書が送られてきて、永遠に災難は続きそうだ。一つ解決したら、また一つ。彼が大学の講義で行ってる内容とも微妙に重なり合う。そして冒頭の寓話での悪霊であったのか否か、ということも講義の中に似ている部分があったし、数学では割り切れない、すべてはイメージの中にあるということか。
コメントする