「イタズラ大作戦の顛末は?」ミックマック ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
イタズラ大作戦の顛末は?
ジャン・ピエール・ジュネの世界観は在りそうで唯一無二。
それはかつて絵本で読んだ様な、ある種、不思議な世界観。
言い換えればメルヘン。
彼の映画の手触りって、空想世界、イマジネーションをそのまま実写に投影したかの様な、ある種のファンタジーを帯びていますよね。扱う題材は幻想的ではないんだけども。
デリカテッセン然り、アメリ然り、今作も彼の『お家芸』炸裂だと思いました。
風刺や毒、世界の暗部、セックスさえも内在する、彼なりのダークなおとぎ話。
ダークでありながらカラっと笑えるし、カラっと爽やか。嫌味がない。
こういう無意味(語弊があるかも)な映画だってたまには必要です。
このカラフルな映像だってたまには視覚に浴びたい。
ドミニク・ピノンの顔だってたまには拝みたくなるものです。
ジュネの映画はそんな世界を体験させてくれる。
自分にとっては貴重な監督です。
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