「145分間、居心地悪かった。」白いリボン ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
145分間、居心地悪かった。
ふ~~~…と、鑑賞後に長い溜め息を付きました。
この居心地の悪さ…このべっとりとした感触……禍々しさの極地。
たまたま、ふらっと立ち寄った農村が、まさかこんなに陰鬱で鬱屈で、抜け出そうとしてもなかなか抜け出せず、145分間足留め喰らってやっとこさ逃げ出した気分、とでもいうか。
滞在中も滞在後も、決して心の靄が晴れることはないです。
なのに、こんだけの悪意を内包しておきながら、それが表層に剥き出されることは終ぞない。表面に、僅かに、滲み出るだけ。
片鱗をチラチラ覗かせたと思うと、またナリを潜める。再び、更なる悪意が来訪。
その繰り返し。
その息苦しさを味わいながら、145分間の拘束が続く訳です。
そして、やっと訪れる終焉。
「白いリボン」というタイトルに込められた真の意味。
コトの真相とでもいうか。
ラストにそれを理解、目の当たりにした時です。
アナタもきっと、長い溜め息を付くことでしょう。
ただ…その真相が具体的な像で以って姿を現すことは、最後まで無いのですけど。
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