「面白い。が、神経を逆なでする」白いリボン ヨギベアさんの映画レビュー(感想・評価)
面白い。が、神経を逆なでする
評価の高い本作ですが、私には到底理解できたとは申せません。
たしかに面白いのですが、他人から、それでどこがよかったの?と尋ねられても説明できないのです。
封建制が色濃く残る20世紀初頭のドイツの田舎で、横溝正史的ともいえそうな不可解な事件や出来事が次々に起こり、なんの解決も見ないままに映画は唐突に終わります。
ミステリではありません。歴史物でもありません。
おぞましい人間の業を描いたのでしょうか?
前近代的なムラ社会の因習を批判しているのでしょうか?
神と人との断絶を問題提起したのでしょうか?
ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへと移ろうとする大戦前夜の混沌をカリカチュアしたのでしょうか?
子供たちの無垢と獣性の対比を露わにしたかったのでしょうか?
狂言回しの教師の目で、ただ淡々と話は進み、観客にすべては委ねられます。
ストーリ運びや人物描写、映像の美しさなど、非の打ち所がないのですが、作品の意図がわからない。わかる必要などないのかも知れませんが、そこがわからないとこの映画を理解したことにならないのではないかと思ってしまうのです。
わからないまま無批判によい評価を下すことはできませんので、4.0という中途半端なスコアにさせていただきます。
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