「不透明な、リアル村社会。 「すでに古典」はダテじゃない。」白いリボン くるまどろぼうさんの映画レビュー(感想・評価)
不透明な、リアル村社会。 「すでに古典」はダテじゃない。
戦前ドイツのド田舎の小さな村で起こる不吉な事件の数々。
そこに暮らす人々のあいだにある「善悪」という価値観。
リアル「村社会」を、すさまじいまでに緻密に描いている。
男爵がいて、小作人が大勢いて、牧師がいて、
学校は教会の付属品で、教育は厳格なキリスト教のもとにあって。
起承転結とかじゃなく、見終わった後に
観た人のなかに続いていくものを想定して作られていて、
物語、というより、145分かけた「問いかけ」のよう。
淡々としているのに目が離せない。
モノクロの映像も繊細で美しい。
カラーで撮影して、デジタル変換してるんだそうだ。
映画史に残る、というか
残ってほしい映画だなーと思った。
『ウィークリー』誌のレビュー、「すでに古典。」という言葉に納得。
だが決して、過去の話じゃない。
と監督は言いたいのではなかろうか。
レディースディに観に行ったせいもあるのだろうけど、満席だった。
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