「現場主義な宇宙人との戦争の描き方」世界侵略 ロサンゼルス決戦 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
現場主義な宇宙人との戦争の描き方
総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:70点|演出:75点|ビジュアル:80点|音楽:70点 )
いきなり宇宙人が地球に来襲するという、どこにでもあるありふれた物語。しかも作品の中心になるのは、この状況を根本的に解決する力など全く持っていないただの歩兵部隊で、これではたして地球は救われるのか。設定や物語には突っ込みどころ満載だけれども、面白い部分もある。
まずいきなりの宇宙人の襲来に、登場人物の兵士たちは何が起きているのかわからず大混乱。しかし説明不足で観客もどんなやつが攻めてきているのか、現状で何が起きているのかよくわからなくて、現場の兵士の混乱ぶりが理解できる。だから相手に関する情報を兵士たちと共に徐々に集めて知っていくという、現場目線で視聴者も理解出切る。それに戦場となった市街地での兵士たちの行動の描き方は、ドキュメンタリー番組で観るような実際の兵士たちの動きそのもので、軍隊についてかなり研究しているのがわかる。そのような戦場での一部隊の混乱ぶりと現場の描き方に観るべき点があった。基本的にはアメリカ海兵隊をやたらと讃える内容だが、戦場の描き方は「ブラックホーク・ダウン」とも通ずるものがあって悪くない。
地球を簡単に壊滅状態にした宇宙人のわりに、最後はあっさりしている。しかし世の中には地球侵略に来た宇宙人が、実は地球にある水が彼らにとって有害だということが分かったので勝手にやってきてすぐに勝手に撤退していったという、大物俳優出演の超絶くだらない作品もある。それに比べればこれでもまだましなほう。物語よりも市街戦の戦闘が見どころの娯楽活劇として観れば楽しめる。