マネーボールのレビュー・感想・評価
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GMとは?
こんにちは(いま12月21日Pm6:00頃です)
僕がこの映画を観たのは封切り初日だった。
それが今ごろになって投稿しようとしてるってことは、
なにか割り切れないものを感じたってことだ。
この映画の舞台はメジャーリーグのアリーグ西地区。
そう、僕が敬愛しているイチローのいるリーグである。
チラッとイチローもでてくるけどね。
あのストーリーはイチローが移籍2年目のことだ。
前年、記録になった勝利数を稼いだシアトルマリナーズが
後半に逆転されてそれ以来万年ビリ球団になってしまった。
その逆転優勝を勝ち取ったチームがアスレチックスだったわけだ。
そのオーナーのビリー・ビーンだった。
確かに主力がいなくなって弱体化した球団を、少ない金で、
立て直したというのは話題になっていた。
ビリーの新理論は有効だったようだが、
それはカネがないので、別の基準をつくったということだ。
まともに打率、ホームランの上位者を補強できるカネがなかった。
それゆえの苦肉の策ともいえる理論を仕方ないのでつくった。
というのが、僕の考え方である。
追い詰められた選手たちが、勝ちというものを知ったとき、
ま、人間集団、のりだせば、のるもんだと思うのだ。
でも、決して否定してるのではないのだが・・・
PS)
GMという職業について、言っておきたい。
例の巨人の会長ーGMの醜い抗争があったから、
ひとこと言いたいと思う。
アメリカと日本ではGMという職業も違うのだろうが、
巨人GMだったひとのほうに分はないと思う。
確かにGMとは監督を含めた球団経営をすべて任される
ことになるのだが、オーナーの意向は絶対なのも間違いないのだ。
W氏がオーナーではなく、会長というのがまた紛らわしくしてるのだが、
まず、W氏が実権を握っているのは間違いないだろう。
だから、よっぽどことがあったのだろうが、
K氏の言い分は正当のように見えて、よくあることだと思う。
いままではW氏のパターナリズムに服従してたひとが、
突然、反旗を翻したというのはいかがなものか?
でも、こうしてあたらしい風が吹き込んでくるのかもしれない
とは思う。
オレ流の算盤で球を弾く舞台裏
ジオンビーetc.スター選手を他球団に次々と引き抜かれ、絶えず選手層が薄い深刻なチーム事情を抱えながらも、皮肉たっぷりに叱咤激励するブラピGMの反骨精神は落合博満を凌ぐオレ流を貫いていて興味深い。
選手出身で球団を冷静に分析するGMってぇっと、西武・ダイエーの根本睦夫やロッテの広岡達郎をダブらせる一方で、口が悪く喧嘩っ早い性格は日ハムフロント時代の大沢親分的なニュアンスも匂わす。
選手や上層部、他球団etc.誰彼かまわず「喝!」を入れる鼻っ柱の強さ、そして、意外と情にもろいのも親分っぽくて、映画を観ているのに、プロ野球オタクの血が騒いで仕方なかった。
トレード期限最終日に他チームにトレードを持ちかけ、交渉する傍らで、構想外の選手にリストラを告げる対人術に、GMの人生観が集約している。
相手に遠慮せずに意見を述べ、繊細にチームワークを維持していく姿勢の大切さと難しさを実感した。
しかし、今作の致命的な欠陥は、トラブル続きの貧乏球団がなぜ20連勝を成す強豪チームに躍進できたのか過程が把握できない点である。
開幕前から提唱していた出塁率重視主義の理論を全く証明していない。
大リーグの歴史に疎いと交渉戦術が理解し辛いし、第一、当初の補強がほとんど補強になっていない。
選手とのコミュニケーションはしない主義で、監督の方針なぞ聞く耳を持たず、傲慢で場当たり的すら思える。
でも、憎めない不思議なキャラなのは実際のGMがああいう性格なのか?
それともブラピが演じたからだろうか?
不明瞭のままだが、たとえ、つまづいても最後まで持論を諦めない、あのリーダーシップを学んで、自分の職場に活かせたらエエなぁ〜…
っと、未だに頼りない副主任の了見で最後に短歌を一首
『塁を読み Vの駆け引き 統計す 底を打つべし タマを揃えて』
by全竜
こだわり続けるビリーに敬意を表する!
短気ですぐ物を壊すところが難だが、ビリーの生き方はすてきだと思う。たとえ思い通りの結果が出なくても、努力し続ける姿はかっこいい。マネーボール理論は賛否あるが、私はひとつの方法としてありだと思う。日本でも金満球団が下位球団の4番打者を手に入れたらしい。アメリカだけの話ではない。だからこそ、貧乏球団が金持ち球団から勝ち星をあげたら、めちゃくちゃクールだ。ブラッド・ピットは「ツリー・オブ・ライフ」とはまた違った父親像を見せてくれた。実生活でも父親だから、いろいろな顔を見せることができるのだろう。それにしても、アンジーとの関係は、当初は否定的な意見が多かったように思うが、正解だったのでは? ブラッドは自信にあふれ、輝いている。アンジーは「あげまん」だったのか。最近さえないビリー・ボブ・ソーントンを観るたびにそう思う。
やっぱり、データ分析だけじゃないよ
ジンクスを気にして、自チームの試合を観戦できない彼。
でもGMとしてチーム運営を考えたとき、必要ない選手に
即座に解雇通告する
決して完璧な人格者として描かれている主人公でもなく、一人のビジネスマンの心の葛藤を感じることができて楽しめました。
良い映画です。
プロスポーツが抱える問題点(ここでは、単純に運営資金の大小が描かれますが。。。)を
データ分析によって乗り越えようとする内容を軸に、上手に描かれていたと思います。
年棒により自分を高く評価されるチームを渡りあるく選手
良い選手をお金でかき集める球団
そんなバックグランドが透けて見えるのが嫌ですが、しようがないですよね。世の中お金なのかな?
プロスポーツチームを高い志で所有しているオーナーが居てそれに賛同する経営陣が存在している
そこにはみんながロイヤリティーを感じていて、若手を育成して
見本となるベテランが居る
全員がチームの勝利を願ってそのために自分のできることを実践している
そんなチームに地元や周りのファンが集まり、愛するチームとして
存続していく。
そんなの夢物語なのでしょうか?
GMの視点に徹した冷静さ
野球には興味ゼロな自分ですが、楽しめました。
まあ、野球そのものを描く映画ではないですからね。
マネーボール理論によってチームが強くなっていったという点も、あんまり実際のゲームでは見せません。
そこはあくまで主人公であるGMの視点に徹していていいなと思いました。作り手側の冷静さが伝わってきました。安易に感動的なスポーツ映画の要素をいれてない。
まあ、スポーツが感動するのはわかります。自分も野球以外で好きなスポーツありますし。でも、この映画はそういう話ではないので、これでよかったと思います。
製作スタッフなど作品背景に「ソーシャル・ネットワーク」と共通点が多いので、やはりどうしても比較してしまいますが……今まで誰もやらなかったことをやり通そうという主人公の苦労を描いている点は似ているけれど、「ソーシャル~」のザッカーバーグほど天才でもなく(むしろ野球選手になれなかった挫折者)、困ったちゃんでもなく。そういう点で共感も得やすいかな。
ブラピの演技も深みがあっていいですね。思い悩んでいるところとか。
「ソーシャル~」ほど圧倒されるものがないですが、それでも俳優、脚本まわりでアカデミー賞に少しからんできそうですね。
良くも悪くもソーシャルのスタッフ
この映画、ソーシャルネットワークの制作スタッフで作ったとの事ですが、まぁ基本的に実話を元にってところが一緒ですし、物語の展開も、要所要所に過去の映像を混ぜて「なぜ、こう思うか」って感じで進むので、こういう手法は映画ならではでいいのですが、ちょっと混乱する時があるので、もう少しわかりやすくして欲しいです。
映画は野球の経営陣のお話しです。いわゆるフロントってヤツですね。野球に興味がない人はわからないってわけではないので、あまり気にしないでください。世の中には金持ち球団と貧乏球団があり、その金持ち球団が強いのか?お金がないと勝てるチームは作れないのか?って、感じのお話しです。ちなみにわたくし、結構野球好きですので、この映画を見たあとオイラだったらあの選手を獲って、この選手を外してって妄想にふけてしまいました(σ・∀・)σ
まぁサクセスストーリー的なお話しなので、見終わった後の爽快感はなかなかです。ただ実話を元にってところなので、若干の消化不良は否めませんが、オススメの映画です。
映画としては結構好き。でもマネーボール理論は好きじゃない。
この映画は、もっと野球そのものを写す映画かと思っていましたが、とある野球チームのGMを描く為の物語でした。まぁ、それはそれで良かったんですけどね。
とある貧乏球団を、全く新しい理論でお金が無くても勝てるチームを作ろうとするんですが、周りからは理解されず、しかも中々勝てず、それでも信じた事を貫き通すGMさんの苦悩や葛藤を、ブラピが見事に演じています。プラピが一人で車の中で考え事をしているシーンなんか見ていると、「うわぁ、めっちゃイライラしてるのが、伝わってくるわぁ」って思わず魅入っちゃいました。
それと唯一のブラピの味方役のジョナヒルの演技も良かったですね。口を半開きにする演技とか、結構好きですw
ただこの映画の褒めるべき所は、役者の方ばかりで、内容の方はちょっと不満店があります。
というのは、GMの事ばかりを描いてしまっている為に、マネーボール理論により、チームが強くなっていく過程の描き方が、凄く希薄になってしまっています。せっかくそんな新しい理論を使って、チームが強くなっていくのに、(今現在は新しく無いですけどね)その部分を削ってしまっているのは凄く勿体無かったように思いますね。まぁ多分編集の問題のような気がしますが。
でもまぁ、そういう不満点がありながらも、結構楽しめました。しかしこれ、野球好きな人じゃないと楽しめない気もします。多分、僕が4点という高得点を付けたのも、野球好きだからであって、野球好きじゃなければ、3点だったと思いますね。
それと最後にひとつだけ言いたい。
映画は好きだったけど、マネーボール理論は好かん。確かに勝てるかも知れないが、野球をつまらなくする気がする。
俺って考え方古いのかなぁ。
短気は損気
ビリーは高校卒業時5拍子そろった選手としてメッツからドラフト1位指名される。3拍子は走攻守だがあとふたつは何?知性と見た目か。だが、ビリーは選手としては成功しなかった。原作では、能力の高い選手の中には失敗とうまくつきあっていけない人間がいる、とある。ビリーはそのひとりだった。ビリーは最後のチームアスレチックスで引退し、アドバンススカウト(日本では先乗りスコアラーか)になる。その後GMになり、セイバーメトリックス(ベースボールのデータ研究)をもとにしたチーム強化をする。奇跡的連勝をするがワールドチャンピオンにはなれなかった。日本で中小企業がどれほど効率的な生産をしても大企業に勝てないのと同じだ。だが、チームはチャンピオンになれなくてもGMとしてのビリーの評価は高い。レッドソックスが高額の契約を提示する。ピーターは迷うビリーに「金額が示す価値に意味がある」と移籍を勧める。しかし、ビリーはアスレチックスにとどまる。ビリーは娘の求める生活に価値を見出したのだ。
ブラピはマネーボーイ。
野球にはぜんぜん興味がない…(というよりスポーツ全般^^;)
なのでこのマネーボール理論も初めて聞いたし、アスレチックスの
名を知っていたくらいで、そんな逸話があったとは知らなんだ~(汗)
しかし俄然観たい!と思った理由はあの「ソーシャルネットワーク」
の感動を味わえるかもと思ったから。この事実は作り話より面白い。
製作も兼ねたブラピが主演とあって華がありすぎ(顔面的にも)だが
ご本人もそう悪くない顔をしている(あ、失礼^^;)
ただこのビリー・ビーンという男、本当に短気で直情的なヒトらしい。
私は劇中で試合を観ない彼に対して、何かジンクスでもあって?と
思っていたが、ただ単に腹を立ててモノをぶっ壊すから!だそうだ。
妻(ロビン)との離婚原因もソレなんだそうだ。あ~そういうことか…。
しかし一人娘、可愛いなぁ。っていうか歌上手すぎ!歌手か?(爆)
日本でもどこぞやの有名球団がコーチの人事でモメにモメていたが、
ああいう話を聞くと、スポーツに対する爽やかさが吹っ飛んでしまう。
どうしてもその軍に入りたいと一浪までしてドラフトに懸ける選手も
いる一方で…しかしそれって、知名度あるチームだからだよねぇ?と
思ったりもする。今作で描かれる貧乏球団には、欲しい選手を迎える
資金がない。トレードまたトレードでホント選手なんて小道具か商品?
と思えるくらい動かされる。結局はビジネス、爽やかなうえに腹黒い。
(まぁ映画界だってそうですからねぇ。売れなければ億単位の損失。)
元・ドラフト一位指名だったビリーは、その選択を過失の如く抱える。
あんなに期待されて入ったのに何の成績も残せない新人君。
いや、これって野球界だけじゃないでしょう。会社だってそうですよ。
私は彼が選択を云々言うのは間違いだと思う。所詮時期をずらしても
彼には運が向いてなかった。どれだけ過去に大勝利を納めていようが、
ここぞ!で役にたたないヤツは会社では要らないヤツなのだ、仕方ない。
だけど彼がそこで腐らずに(爆)球界に留まった精神力を高く買いたい。
自分の能力なんて結局自分にしか分からない。自分を認めない人間が
他人を評価など出来るはずがないのだ。だからここで登場するピーター
(J・ヒルいいぞ~)含めて、本人だけが根拠ある自信(爆)を持った理論、
それを行使する姿に、いいぞ!やれ~やれぇ!と思った。
スポーツっていうのはそういうもんじゃない(って皆言うよね)と能書きを
垂れるベテラン老人勢に聞いてみたいのは、じゃあどんなもんなのか?
是非細かな過去からの分析データに基づいて説明賜りたいと思うのみだ。
もうダメだ、と思った選手を掬いあげるシーンがある。
感謝に堪えない、という面持ちで選手と涙を流す家族が羨ましく思えた。
好きこそものの…とはいっても、使いモノになるのは(スポーツでなら)
やはり若いうちなんだろうと思う。第一線を退くのは思いのほか早い。
だけどどんな形であれ、自分が好きだと思うものに執念を持てることと、
更にそれを支えてくれる家族がいる幸せ、というのは何物にも代え難い。
ビリーという男は最も輝きたい場所で輝けなかった存在だが、
その何万倍もの功績を認められた価値(金額)にこそ意味があると言った
ピーターの言葉は勲章もんだな、と思った。それで今のビリーがある。
(映画でいえば、ブラピはマネーボーイだよねぇ。俳優やめちゃうの?^^;)
plan-do-check-act!!
実話を基にした映画。
既存の考え、既得権益と戦う。
新しいことにチャレンジして、成功に導く過程が
テンポ良く映像化されている。
ブラッドピットじゃなくても良かったけど、
別に悪くない。
たまたま実話が野球をだから野球の話だが、
他のビジネスに通じる話で勉強にもなる。
PDCA(最近はPDCサイクル)を短期間で繰り返す。
これを実行するのは本当にエネルギーが必要。
特に既得権益が絡んでくると大抵、新しいものは否定され潰される。
その中で孤軍奮闘して成功する話は
観ていて単純に楽しい。
元気をもらえる映画。
よくまとまったいい作品だと思います
最初から最後まで入り込んで見られたし、役者の芝居も素晴らしかったので、星4つでもいいかもしれませんが、いくつか気になる点があったので星3つにしてみました。
私は、既存の常識にとらわれず新しい考え方を導入して成功していく、イノベーション的なストーリーには感動しやすい傾向があります。
でもこの作品では、その新しい考え方についての説明がかなり端折られていて、球団のGM(ジェネラル・マネージャー)がその考え方を導入することを決めてからの、周りとの確執を中心に描いています。
私にとっては、もう少しその理屈を教えてもらわないと共感しづらいと思いました。
この作品の主役は、もちろんブラッド・ピット演じるGMのビリーで、彼が球団改革を推進した当事者なのですが、実際に新しい考え方「マネーボール理論」に基づいた分析を行っていたのはピーターという人物です。
もしこの人を主役としてストーリーを構成していたらだいぶ違うイメージの作品になっていたと思います。私としては、その方が好みの作品になったような気がします。
実在の人物の、現在進行中の取り組みが映画化されるというと、facebookについて描いた「ソーシャル・ネットワーク」があります。映画の最後に、その人物の現在の状況を字幕やナレーションで説明するという処理方法も共通。でも、こういうタイミングで映画化するのが本当にいいことなのか疑問を感じます。数年後に映画を見たら、もしかしたら全然見当違いの話になってしまうかもしれないのに…。
まあともかく、よくまとまったいい作品だと思います。
音のない快感
思ってたよりよかった
今も挑戦し続けている
秋にぴったりのじっくり見れる映画だった。
大リーグの貧乏弱小チームを独自の理論で育てたゼネラル・マネージャー、ビリー・ビーンの実話。
彼の行った、いわゆる“マネーボール理論”とは、今ではどの球団でも取り入れられているとか。
そういえば、こういう徹底したデータ分析は、楽天の野村元監督も行っていたような…?
当初はブーイングの嵐。
確かにスポーツは筋書きの無いドラマと言うように、統計やデータ分析で選手の全てが把握出来る訳ではないが、一番最初に新しい事を始めた者は批判されるもの(映画の中でも言っていた)
現に、アスレチックスは快進撃の実績を出し、ビリー・ビーンのやり方は間違ってはいなかった筈だが、悩みながらの事だったし、快進撃出来ても地区優勝出来なかった現状に満足していない。
そうでなければ、高額のオファーを蹴ってまで今もアスレチックスで挑戦している訳がない。
“二度と人生を金に振り回されたくない”
ビリー・ビーンの姿を見た。
統計野球が野球を変える......
野球は理論。受け入れ難いこの定義を証明する。
勝つことより負けないことにこだわる、金が嫌いな経営者の話。
民衆の見るテレビ中継とアスレチックスグループが見る生の野球風景を上手く織り交ぜたカメラワークはとても素晴らしい。実話に基づいた話の場合はいかに上手くリアルに撮れるかが鍵である。ミラー監督はビリー・ビーンの引退後を重点的に描いた様に見えた。現役時代のビリー・ビーンは最低限の事しか描かれておらず少し残念だが、他にみせる所はある。まずブラット・ピットの演技だが、ノミネート級の最高の演技で、ビリー・ビーンの外からは見えない心情を見事に演じる。そしてなんといっても20勝目達成試合のサヨナラホームラン。出来過ぎている実話だ。もうすぐ始まるアカデミー授賞式が楽しみである。
フロントの駆け引きは面白いが・・・
インディアンスの事務局でビリー・ビーンがピーター・ブランドを問い詰めるシーンが面白い。
ビリーはピーターが一種独特の才能を持っているのではないかと探りを入れるが、新卒のピーターはヘビに睨まれたカエルのように落ち着かない。それでも自分の考え方に自身を垣間見せるピーターをジョナ・ヒルが、その体躯ともども愛嬌のある演技で好演。ブラッド・ピットも悪くないが、ジョナ・ヒルがかなり食っている。
子役ケリス・ドーシーも、ビリーが野球から離れたほんのひとときを癒す一人娘ケイシーを上手く演じ、歌でも頑張った。
そこにいくと、アスレチックスのハウ監督役のフィリップ・シーモア・ホフマンは見せ場がない。もったいない使い方で、なにか物足りない。
データ重視の運営論に重きを置きすぎて、試合展開にどう活かされたのか判然としないところがあり、現場の熱さが伝わってこない。
ホフマンが生き生きとしないのは、古い考え方の監督という役柄だけではなく、ゲームの描写が希薄なためだ。
その割には上映時間が133分もある。
アメリカ人や、大リーグ・ファンにとっては語り草のゲームかも知れないが、試合内容がどうも掴めない。
予告篇のテンポのよさが本篇にないのが残念。そして、もう少し滑稽な作風に仕上がっているかと思っていたが違っていた。
裏方の野球映画
ブラピとコデブのピーターがこそこそと反旗を翻している感じがとても面白かった。原作の本を以前に読んでいたので、映画にするならその戦略がどのように反映されているのか、野球の場面として見たかった。映像にすると普通によく打つとか、特に変わり映えしないからなのだろうか、野球の場面はそんなに多くなくて残念だった。娘がブラピに球場に行けといったせいでチームが負けそうになっているかのような、まるで娘が疫病神みたいな描かれ方は変だった。でも裏方を中心とした野球映画という一風変わった作品としてとても面白かった。結末でレッドソックスのGMとしては歴代1位の報酬を蹴るのだが、アスレチックスでいくらもらっているのか描いていなかった。貧乏球団とは言えそれでも我々が引くほどの額なのだろうか。
ブラピがリバランを初めて超えた映画
リバーランズスルーイットで初めてブラピを見た時の感動が蘇った。
この人は良い道程を歩んでここまで辿りついたんだなーと感慨を覚えながら見た。ビリーとブラピの生き様が重なって見えた。エリンブロコビッチのジュリアロバーツとも重なった。野球選手でも、役者でも市井の人間でも自分の能力を見出してくれる人と出会えるか否かで人生は大きく変わるのだなと思った。今、日本の球界が巨人の馬鹿みたいな騒動で揺れているのでこの映画を見るタイミングとしては最高のおぜん立てになっている。もしかしてこの映画の宣伝で演ってるの?と疑ってしまう位面白い。野球は誰の物?と思いながら見ると面白い。日本一になりそうな監督が大人の事情で契約更新ならない現状もあるし、日本シリーズが何倍も楽しめるから、本当にこの映画は今すぐに見にいって下さい。色んな意味で最高です。後、ピーター役のジョナヒルは助演男優賞もんにブラピ食ってますね。彼が主役でもおかしくないです。ただ、ブラピの演技は今までで一番好きです。やー映画って本当に良いですねー。
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