ソーシャル・ネットワークのレビュー・感想・評価
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【87.9】ソーシャル・ネットワーク 映画レビュー
映画『ソーシャル・ネットワーク』(2010)批評
作品の完成度
21世紀の最も重要な現象の一つであるFacebookの誕生を、その創業者マーク・ザッカーバーグの光と影を通して描いた伝記ドラマの傑作 脚本のアーロン・ソーキンと監督のデヴィッド・フィンチャーの才能が極めて高次元で融合した作品である
ソーキンによる法廷での尋問と回想を織り交ぜた緻密でテンポの速い会話劇は、登場人物の複雑な動機と人間関係の軋轢を鋭く浮き彫りにし、情報化時代の孤独や疎外感といった普遍的なテーマへと昇華させている
フィンチャーの冷徹でスタイリッシュな映像表現と研ぎ澄まされた演出は、若き天才の焦燥感、野心、そして友情の崩壊をクールかつドラマチックに描き出す
IT企業のサクセスストーリーという枠を超え、現代社会における承認欲求、所有、裏切りといった根源的なテーマを深く掘り下げた構造を持つ
現代の神話とも言える題材を見事に映画的なダイナミズムと知的な深みをもって描き切り、批評的にも商業的にも大成功を収めた、2010年代を代表する映画の一つと断言できる完成度の高さである
第83回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、脚色賞、編集賞、作曲賞の3部門で受賞
また、第68回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、監督賞、脚本賞、作曲賞の最多4部門を受賞している
監督・演出・編集
デヴィッド・フィンチャー監督の精密機械のような完璧なコントロールが光る
彼の持ち味である、細部にまでこだわった陰影のある映像美と、登場人物の心理をえぐるような冷徹な視点が、マーク・ザッカーバーグという複雑な人物像に深みを与えている
特に、ハーバード大学の寮での「Facemash」制作シーンや、ウィンクルボス兄弟とのボートレースのシーンなど、視覚的に印象的なシーンでの緊張感あふれる演出は秀逸である
アンガス・ウォールとカーク・バクスターによる編集は、過去と現在の法廷での証言をノンリニア(非線形)に素早く切り替え、会話の応酬とドラマの緊迫感を途切れさせないリズミカルなテンポを生み出している
膨大な情報量と複数の視点を扱う物語を、観客にストレスなく、むしろ知的な興奮とともに追体験させる見事な構成力と編集技術である
キャスティング・役者の演技
キャスティングは主要キャストから脇役に至るまで、キャラクターの本質を見抜いた完璧な布陣である
それぞれの俳優が持つ個性が役柄と驚くほどに共鳴し、リアルで複雑な人間模様を体現している
主演
ジェシー・アイゼンバーグ(マーク・ザッカーバーグ)
Facebook創設者、ハーバード大学の学生
彼の持つ知的な神経質さと内向的な孤独感が、ザッカーバーグの持つ天才性と不器用さ、そして非社交的な性格を見事に表現している
早口でまくし立てるセリフ回しは、周囲との軋轢を生む彼の自己中心的な野心と圧倒的なスピード感を体現しており、観客は時に彼に苛立ち、時にその才能に魅了されるという複雑な感情を抱くことになる
目線や仕草の細部に至るまで、コミュニケーション能力に難を抱えるマークの姿をリアリティをもって描き出し、孤独なイノベーターとしての主人公像を確立した(200文字以上)
助演
アンドリュー・ガーフィールド(エドゥアルド・サベリン)
マークの友人、Facebookの共同創業者
マークの才能を信じ、共に事業を立ち上げるが、やがて裏切られ、疎外されていく親友の苦悩を、繊細かつエモーショナルに演じきった
特に、マークへの失望と怒りを爆発させる終盤のシーンの迫真の演技は、友情と金銭、ビジネスの倫理の間に引き裂かれるキャラクターの悲劇を際立たせ、観客の心に深く訴えかける(100文字以上)
ジャスティン・ティンバーレイク(ショーン・パーカー)
Napsterの創業者、Facebookの初代社長
カリスマ性と傲慢さを兼ね備えた危険な扇動者としてのショーン・パーカーを、軽薄な魅力と鋭い洞察力をもって演じた
彼の登場によって物語のテンポとトーンが一変し、Facebookが学生サークルから本格的なビジネスへと変貌する過程を象徴的に示す重要な役割を担っている(100文字以上)
アーミー・ハマー(キャメロン・ウィンクルボス / タイラー・ウィンクルボス)
マークを訴えた双子のボート選手
一人二役でありながら、裕福でエリートな双子の持つ自信と、アイデアを盗まれたという怒りを、CGと合成技術を駆使した映像の中で違和感なく体現した
ボート部での雄々しい姿と、法廷で屈辱を味わう姿の対比が、マークの天才性に対する旧体制のエリート層の敗北という側面を強調している(100文字以上)
マックス・ミンゲラ(ディヴィヤ・ナレンドラ)
ハーバードコネクションの共同創業者、マークを訴えた人物の一人
ウィンクルボス兄弟のビジネスパートナーとして、マークに対して訴訟を起こす立場の人物の知的で冷静な態度と、裏切られた屈辱感を表現した(100文字以上)
脚本・ストーリー
アーロン・ソーキンによる脚本は、現代最高の会話劇と評されるにふさわしい
法廷での尋問シーンと、登場人物たちの回想がパズルのピースのように組み合わさり、Facebookの誕生という出来事の多面性を描き出す重層的な構造を持つ
「5億人の友達を得るために、親友を失った」という核心的なテーマを軸に、マークの孤独な天才性、エドゥアルドの友情と金銭の葛藤、ショーンの煽動的な野心、ウィンクルボス兄弟の既得権益の崩壊という、異なる視点からのドラマが同時並行で進行する
特に、膨大な量の情報と技術的なディテールを含む会話を、観客を飽きさせないスリリングな応酬として成立させた手腕は驚異的である
現代のアメリカン・ドリームの変容、そしてインターネット時代における人間の本質的な関係性を問う、深く示唆に富んだストーリーである
映像・美術衣装
撮影監督ジェフ・クローネンウェスによる映像は、全体を通してクールでシャープな質感を持ち、マーク・ザッカーバーグの知的な冷たさとデジタルな世界観を表現している
照明は意図的に低く抑えられ、ハーバードの寮の雑然とした雰囲気や、サンフランシスコの夜の孤独な光が、マークの内面の空虚さを暗示する
美術は、ハーバード大学のエリート主義的なキャンパス風景と、スタートアップ企業の雑然としたエネルギッシュな空間の対比が効果的に用いられている
衣装は、マークのパーカー姿に象徴されるアンチ・エリートでカジュアルなスタイルが、既存のビジネス社会やエリート層との断絶を視覚的に示している
音楽
トレント・レズナーとアッティカス・ロスによる音楽は、本作の革新性の核を担う要素の一つである
冷たく、無機質でありながら感情的な響きを持つエレクトロニック・サウンドが、マークの焦燥感や孤独、そして時代の変化の予感を表現している
従来の映画音楽の枠を超えた、ノイズやアンビエクトの要素を取り入れたスコアは、デジタル時代のサウンドトラックとして機能し、映画全体のスタイリッシュなトーンを決定づけている
主題歌(劇中歌)は、エンディングで使用されたザ・ビートルズの「Baby, You're a Rich Man」(ベイビー、ユーアー・ア・リッチ・マン)が有名だが、クレジットに記載された主題歌という特定の楽曲はない
しかし、作曲賞をアカデミー賞とゴールデングローブ賞で受賞したスコア自体がこの映画の重要なアイデンティティとなっている
作品 The Social Network
監督 デビッド・フィンチャー
123×0.715 87.9
編集
主演 ジェシー・アイゼンバーグA9×3
助演 アンドリュー・ガーフィールド B8
脚本・ストーリー 原作
ベン・メズリック
脚本
アーロン・ソーキン A9×7
撮影・映像 ジェフ・クローネンウェス
A9
美術・衣装 美術
ドナルド・グレアム・バート
衣装
ジャクリーン・ウェスト
B8
音楽 トレント・レズナー
アティカス・ロス B8
寮からSNS革命!ITスクール顔負けの天才たち
「事実は何か?」は考えずに見よう
本作について、ザッカーバーグ本人が「違う!」とポップコーンを投げつけながら見た、旨の記事を読んだ記憶がある。
本作で描かれていることは、本人同士、あるいは和解協議の場といった絶対に外に漏れない(ハズ)の会話が多い。
なので、ドコまで本当か、はアヤしい前提で見るべき。
原作のノンフィクションと比較すべきであるが、ノンフィクションは関係者へインタビューした結果だろうが、映画はそこから「ストーリー」として「脚色」が入る。
で本作の感想。
事実がどうだったか?はどうでもいい。
世界最大のSNSを作った人間が、「社会的関係」を築けず、その結果、一番の親友とケンカ別れする姿を描いた物語。
世界有数の金持ちになった男は「幸せ」なのだろうか?と。
でもこれはザッカーバーグの話ではなく「現代人」のメタファーであり、縮図、象徴なのだろう。
SNSに長時間費やしながら、実在の人間とコミュニケーションが出来ない現代人の話。
そう思えば、ザッカーバーグに感情移入できるようになる、かな?
なにが面白い映画なのか
デビットフィンチャーやっぱり天才
現代の伝記映画なのに縁がなさすぎる映画NO1
瞬く間に全てを手に入れて史上最年少で億万長者になった男の映画。
実際に起こった話でマークザッカーバーグは今もこの世にいるのに、僕には縁がなさすぎる映画
まだスターウォーズとかの方が親近感持てる
開幕から学校中の女子の顔を投票でランクづけするシステムを作るという最高に女子に嫌われることをするマークザッカーバーグ
いくらなんでも男の星すぎるだろ。自ら犠牲になって極上のコンテンツを残すなんて
学園生活全てを女子に虐げられる覚悟がなきゃできたもんじゃないぜ
最初は承認欲求丸出しで突き進んでたのに、facebookが軌道に乗り始めるとマークザッカーバーグの才能に追いついていけない人から嫉妬され訴訟を起こされる
オッペンハイマーさながら2本の訴訟が軸になってる訴訟映画
とにかく訴訟される
名をあげると嫉妬されるのは仕方ない
時価総額数兆円まで押し上げたマークザッカーバーグの気持ちがわかる
僕も小学生の時に商店街のガラポンでコシヒカリ10kg当てたときはよく嫉妬されたもんだもん
マークザッカーバーグ気にするな!
生きてる間(しかも現役バリバリ)に伝記映画ってすげえ
僕も自分の伝記映画が出るなら20代後半とかの時にリリースされて欲しい。晩年の死に際に公開されてもあんま嬉しくないし
あと安易なイケメン俳優に僕の役やって欲しくない。踏み台にして欲しくない
でもしっかり男前にはやって欲しい
僕が今後マークザッカーバーグと話す機会があるとするなら(0ではないよ!駅で道聞かれたりするかも!)この映画ベタ褒めして媚び売ろう!
facebookの株数%わけてくんねえかな
この映画はどこまでが実話なのかわからないが、 主人公のマーク・ザッ...
思ったよりも難しかった(汗)
Facebookが生まれる歴史
FBの設立の話し。映画だと訴訟の部分が分かりやい。 Faceboo...
Facebookができるまで
テンポよく映像に引き込まれるつくりになっている。 Facebook...
ノンフィクション
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