「Facebook非協力。どこまでが事実?」ソーシャル・ネットワーク 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
Facebook非協力。どこまでが事実?
全世界で5億人ものユーザが登録しているFacebookの創業にまつわる物語。しかしながら、制作に際してFacebook側の協力は得られず、どこまでが事実で、どこからが創作なのかが不明である。
この手の物語には、仲間内での衝突が数多く繰り広げられるものですが、Facebookの場合も例外ではありません。映画では、Facebook着想の頃の映像で始まっていますが、物語の作りとしては、今から過去を回想すると言う作りになっています。しかしながら、現在のシーンよりは、回想のシーンがメインとして描かれており、創業から今までほぼ時系列に描いていると見ても良いと思います。
基本的に事実を描いているので、あっと驚くような出来事は少ないですが、Facebookの未来を決めたのはショーン・パーカーとの出会いでしょうね。パーカーというIT業界の先達がいたからこそFacebookがここまで大きくなったのは恐らく間違いないと思いますが、また、それが故に、結果としてザッカーバーグは、友人であったエドゥアルドを裏切るような事になってしまったんでしょうね。
ところで、Googleを抜いて世界一のアクセス数を誇り、世界的にはFacebook全盛ですが、日本ではイマイチ。その理由は、Facebookが実名を基本としており、匿名を好む日本人の特性には合わないと言われていますが、どうなんでしょうかね?
映画の話に戻ります。結果として、ザッカーバーグは、数多くの友人を失いながら、巨万の富を手に入れた様な描かれ方をしており、ちょっと悪人過ぎる描かれ方をしています。新しいものを創り上げていくときには、少なからず周囲との衝突はありますが、人間的魅力のない人物に付いて行く人は少ないと思います。先にも記したように、この物語を描くに際してFacebookの協力は得られていないので、どの位まで真実に迫っているかは不明ですので、話半分と思っていたほうが良いのでしょうね。
全米映画批評家協会賞を始め、様々な賞を受賞したり、ノミネートされていますが、私的には、正直、そこまでの作品には思えませんでした。頭が硬くなってしまったんでしょうか? まだまだ現在進行形の話であり、物語の深みが足りなく感じました。もう少ししてからでも、映画化は遅くなかったのではと思います。