「アメリカの格差社会をぶちこわすFACEBOOKの誕生秘話」ソーシャル・ネットワーク naopod54さんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカの格差社会をぶちこわすFACEBOOKの誕生秘話
パーフェクトなタイミングでのPR映画かと思いきや、マーク・ザッカーバーグは洋服以外の全てはフィクションだという本社とは全く無関係の映画。しかし見ちゃったら最後。マーク・ザッカーバーグはこういう人なんだなと思わざるを得ません。一言で言うと私としては大嫌いなタイプの人間です。この映画はfacebookの立ち上げの経緯から立ち上げメンバーとの確執、裁判と軌道に乗るまでかなり初期段階が描かれます。
まず思うのは自由の国アメリカでも欧州同様一部のエリート、名家が形成する上流コミュニティが存在し、厳然たる権力を有するということ。映画ではそもそものFacebookの目的はこうしたエクスクルーシブなコミュニティを形成することだったわけです。マークはこの立ち上げメンバーのプログラマーでいながら最終的には裏切る訳ですが、敢えてよく解釈すればユダヤ人である彼が、エクスクルーシブな社会を作る一端に手を貸すよりも、実名で誰もがフラットに繋がれる世界を構築するがためにやむを得ず裏切ったと読めるのでしょう。ま、当人は映画やその後の言動を見る限り全くそんな所は見えてませんが。。。。
個人的にはナップスター元CEOショーンパーカー役のジャスティンティンバーレイクが光ってました。ジャスティンと言えばスーパーボウルでのジェネットジャクソンとの粗相事件が真っ先に頭に浮かびますが、西海岸の浮かれたITナッツを地で演じている感じが非常にはまってた。よくも悪くも軽い人間の役やらせたら大概はまるんじゃないでしょうか?
エンドロールが流れているとき、アメリカってこんな最低なヤローが成功しちゃう国なんだろうかと少し悲しくなりました。私的な倫理観で言うと、こんな人が成功しているとすると義理とか仁義とか、人情とか信頼とかって何なんだろうかと。一つのことに長けてさえいれば、人間力とか無しに社会的な成功(ここではあくまで社会的な成功)って達成できてしまうんだろうか?と。ザッポスのトニー・シェイが成功するのは応援できますが、マークが仮に映画通りの人間だとしたら、この先どうなるか?きちんと見届けたいと思います。