「自分の中で、安易な感情が浮かんでこない。」ソーシャル・ネットワーク ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の中で、安易な感情が浮かんでこない。
安易な感情が浮かんでこない。
感動した!傑作だ!素晴らしい!駄作だ!ツマラン!
どの感想も浮かんでこない。
圧倒的な言葉の洪水と、それに呼応(若しくは相反?)するスタイリッシュな映像の応酬。
ひたすら視覚聴覚触覚を嬲られ続けたみたいな。
目まぐるしい。
息継ぎができない。
箸休めも許されない。
気を緩めると場外に放り出される。
カークラッシュ、炎上、銃撃戦、絨毯爆撃…。どのアクションにも引けを取らない、むしろそれ以上に悠長な展開を許さない。
理論と罵声と賛辞と嫉妬と憤怒と欲望がひたすら駆け巡る。
気が付けば、幕が下りていた。
実際、筋書きだけを語ると、何てことはない話。
“ある天才青年”の成功の軌跡、彼を取り巻く人々・環境の、所謂「こういうことがありました」という至ってシンプルな内容。
それを、こんなスリリングにドラマチックに仕上げてしまうデヴィッド・フィンチャー…。
やっぱり、彼は凄かった。
では、これは惜しみのない賛辞?
うぅん…まだ、そこまで感情が追い付いてない。
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