「すべてを手に入れて、たった一人の親友を失った天才の話」ソーシャル・ネットワーク marikokartさんの映画レビュー(感想・評価)
すべてを手に入れて、たった一人の親友を失った天才の話
mixiが流行り始めた頃、初めて使うそのシステムの面白さにすごくハマって、一日に何回も何回もアクセスしてしまいダメだこりゃ止まんないなんて話したのを思い出した。
普段から知っている友人もsnsを通すと違った一面が見えた。
疎遠になった友達と復縁することもあった。
snsでコミュニケーションを取ることで現実に会わずして関係や互いの理解を深めることもできた。
facebookの創業者マーク・ザッカーバーグは、若き天才プログラマーだがその実態は非社交的で友人も少なく、コミュニケーション能力の極めて低いオタク。映画の冒頭の10分間、恋人にフラれるシーンの会話で彼のその個性が強烈に示される。
"モテる奴"への嫉妬と羨望の入り混じった複雑な感情が、マークに、現在世界最大規模のシェアを誇るソーシャルネットワークサービスを開発させた。
マークや彼の周囲の雰囲気は、ハーバードのエリート集団だということを除けばいたって普通、どこにでもある大学生活だ。(同世代だからいろんなところにすごく共感した!!)
それを天才が経験すると、こんなにも世界が違ってくるから驚く。
ノートの貸し借りのために、同じクラスを履修している生徒を参照できるCoursematch(コースマッチ)というプロジェクトを作り、気になる相手に彼氏がいるのか知りたがる友人を見てfacebookにステイタス機能を持たせるアイデアを出した。
そしてその才能と運命は彼を、一学生から史上最年少の億万長者へと導いた。
映画はもの凄いスピード感で進んで行く。超高層ビルを最上階まで直通で昇っていく高速エレベーターみたい。
インターネットの世界では頭に浮かんだアイデアやイメージを数分から数時間の間に実行することができるから、そしてそうしなければ競合に負かされてしまうから、あのスピード感は現実的だったんだと思う。
グンて雲も突き抜けて、チーンてドアが開いた時、あれ、ひとりぼっちだったね、みたいな感じ。
瞬く間にすべてを手に入れて、引き換えにたった一人の親友を失った天才大学生の言葉にならない数年間のお話です。facebookのサイト同様、シンプルかつクールな映画。
最後に、双子のウィンクルヴォス兄弟は最高です。