「野に咲く花のように。」FLOWERS フラワーズ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
野に咲く花のように。
資生堂とのタイアップ映画じゃないかと思ってしまうと
それなりに、ということになるんだろうが、ドラマとして
そんなに酷い作りではないし、むしろ昨今では除外視?
されてしまった結婚観をもう一度考えさせられる作品だ。
見たこともない相手と結婚しなければならなかった時代、
女性の自立などあり得ない時代、どんな思いで彼女らは
嫁いでいったのだろうか。ルーツを探る意味でも面白い。
女性の生き様というのは常にその時代の鑑としてお手本
として語られてきた。だから昨今の自由奔放な恋愛観を
羨ましいと見る趣もあるんだろうが、もしもあの時代が
なかったとしたら、私たちは生まれていたんだろうか…^^;
親の決めた相手に嫁いだ祖母には三人の娘が生まれた。
それぞれの娘はそれぞれの恋をして結婚した。
長女は相思相愛の恋愛結婚、次女はキャリアウーマンと
して結婚と仕事の間で揺れ動き、三女は郊外の団地で
幸せな母親となっていた。そしてもう1人を身籠っている。
現代に移り、その三女の娘たちが祖母の葬式で再会する。
姉の方はどうやら妊娠しているらしいが結婚はしていない。
妹は幸せな結婚生活を送っているようだ。
話の断片からそれぞれの時代へと映像が切り替わり、
姉妹それぞれの恋愛・結婚生活を映し出していく。
まるで時代を切り取ったかのような懐かしさが面白い。
どちらかというと昭和の風情がたっぷり味わえるので、
その時代に生きた(私も^^;)女性にはこの上なく懐かしい。
確かに時代は移り変わり、女性の恋愛観も変わった。
家族としての生活環境も昭和と平成では大きく違う。
それでも、根底に流れる絆のように、夫や妻や家族を
大切に思う気持ちと健康に対する願いは変わらない。
どうか元気で、長生きして、たくさんの幸せに出逢って
もらいたい。そんな思いで母親は子供をこの世に産出す。
生まれた子供は、親の願いを背負って背負って(爆)
一生懸命に勉強やスポーツや仕事や恋愛に頑張るのだ。
そんな風に繋がってきた歴史を大切にせねばと思う。
生きてるだけで楽しいんだよ。という台詞があるが、
そんな風に思いながら生きられることがなによりなのだ。
確かに人生は花、かもしれない。
(できれば長女と次女のその後も見たかった。せっかくなので)