「少子化対策国策映画」FLOWERS フラワーズ shikahikoさんの映画レビュー(感想・評価)
少子化対策国策映画
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蒼井優扮する物語の初代が典型的家父長の父親に反発して、結婚式の当日花嫁衣装のままで家を飛び出す。そして、その子や孫である二代目、三代目の女性たちの生きざまを、今をときめく主役級女優たちの豪華な共演により、1930年代、60年代、70年代、そして21世紀と、それぞれの時代的制約の中で自分らしく生きるために葛藤し、家族、兄弟、夫婦愛のありかたを、時系列を無視して、まるでなぞ解きをするかのようにして描いている。
そのあたりは見事で、観る者を飽きさせず、命の大切さ、家族愛の深さに触れて心が暖かくなる。
それぞれの女優の個性的な美しさや可愛らしさを優しい映像で引き出し、随所に映像美がちりばめられていて素晴らしい。
しかし、結局は時代の制約に妥協し、女性の幸せを子どもを産み育てることに限定するかのような結論のあり方に、「少子化対策国策映画」のような臭いを感じたのは僕だけだろうか・・・
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