劇場公開日 2010年6月12日

「THIS IS THE JAPANESE BEAUTY」FLOWERS フラワーズ TOKUSHIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5THIS IS THE JAPANESE BEAUTY

2010年6月15日
PCから投稿

泣ける

悲しい

幸せ

主演クラスの女優を全員主演にしたバブリーな映画。
資生堂シャンプーTSUBAKIの映画版。
特別協賛はもちろん資生堂。

こんなに豪華キャストを揃えてしまったから、宣伝にあまり金が回せなかったのか、映画の存在が世の中の中に浸透していない気がする。
今の時期だと、やはり「告白」が強い。

一族の命の繋がりを軸に、
日本の美を伝えていく。

蒼井優
仲間由紀恵
竹内結子
田中麗奈
広末涼子
鈴木京香

このキャストたちそれぞれ命のつながりがあって、
一族として続いていく。

それぞれの時代、それぞれの人生で、力強く生きていく。
それぞれの時代のそれぞれの風習の中で生きていく命の力強さ。
嫁ぐ、ということ、
求められてた男らしさ、女らしさ、
失った愛、
亡くなった命、
だけど、家族はいつまでも家族。

途中で「パーマネント野ばら」の「わたし狂ってる?」というあのシーンのDejavuを感じながら、観ていた。

日本の古きよき美しさ、しきたり、
そういったものに反発しながらも、しなやかに生きる日本人の美が描かれている。

豪華キャストを起用しまくってるわりには、派手さはやく、口数少なめに日本の美を厭味なく描いた点は素晴らしい。

今の時代にはなんだか物足りなく、地味かもしれないけど。
でも、こんな時代だからこそ、こういう映画を撮ったのかもしれない。
映画は、豪華キャストを使えばいいってわけでもないし、
金をかければいいわけでもないし、
涙を誘えばいいわけでもない。
だけど、大金かけたこの映画は、金をかけてキャストを揃えただけのことはある。
だけど、なんでわざわざここまでするの? とも思う。

映画製作について考えを巡らさせる映画でもある。
映画製作において何に比重を置くのか、
何を描くために映画を作るのか、
日本映画とはなにかを観客にぶつけてくる映画であった。

こんだけ豪華なキャストでありながら、厭味な派手さはなく、
淡々と描かれるこの映画は、まさによき日本映画だ。

TOKUSHI