「自らの人生をなぞり仕上げられた一つの曲」クレイジー・ハート Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
自らの人生をなぞり仕上げられた一つの曲
クリックして本文を読む
総合75点 ( ストーリー:70点|キャスト:80点|演出:80点|ビジュアル:75点|音楽:75点 )
売れていて調子に乗った時期に出会う女と、年老いて地方のドサ周りをしていてもう先がないなと感じる寂しい時期に出会う女では、本人の心に思う覚悟が違うのではないだろうか。曲を作るときは自分の過去の経験を基にすることも多いと聞くが、本作品ではまさにその経験が曲へと変わるその過程を見せてくれる。そのような男の哀愁が込められている。物語はありふれたものでたいしたことはないが、ただの単純な再生物語になっていないところがいい。昔のようにまた売れっ子歌手に戻って愛も手に入れて人生というのではないし、何よりも出演者の演技と演出がひかる。歌手だからといって派手な話にするのではなく、しっかりと人の繋がりや生き様を描くのは地味だけど結末の余韻を残し好感が持てた。
コメントする